株式売買のための金融ニュースをプログラムで生成する企業、アメリカにあらわる

2006年08月26日 10:00

株式イメージ【CNET News】によるとアメリカの金融データ会社【Thomson Financial】では、プログラム生成による経済記事を採用していることが明らかになった。決算発表を迅速に記事にして提供するという要望に答えるためだという。

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記事によるとプログラム生成記事が求められている理由として、金融世界では株式売買のために迅速な情報提供が常に要求されていること、そして世界中の企業が自動化を目指していることをあげている。具体的に、企業の決算が発表されると「0.3秒後にはプログラムがその決算発表に関する記事を完成」させるという。0.3秒という時間は、人間が直接ライティングを行うとなるとテキストエディタを開く時間にもならない。

コンピュータは、企業の四半期における業績を判定するために、直近の四半期の財務指標を過去のものと自動的に比較する。さらに、Thomson FinancialがFinancial Times紙に語ったところによれば、コンピュータは、人間に比べて間違いがはるかに少ないという。

具体的な分析や発想による情報の盛り込みなどをしなければ、つまり単純に事実を公示するというレベルであるのなら、プログラムによる金融経済記事の生成はさほど難しくはない。単純に条件化が面倒で時間がかかるだけだ。例を挙げると、一日の株式市場の動向を振り返るコメントを生成したい場合、

・前日の終値と比べて今日の終値が高い銘柄が
 80%以上なら「本日の東京株式市場は全面高の展開」
 79%から20%なら「本日の東京株式市場は高安まちまちの展開」
 19%なら「本日の東京株式市場は全面安の展開」

・本日上場した銘柄があれば
 「本日上場した●×は」の後に、初値をつけていたら「×■円で初値をつけた」とコメント、公募価格との差をチェックして「●倍もの値をつけた」とし、特定の倍数以上なら「●倍もの高値をつけた」とする

・あらかじめ監視対象としていた有名銘柄が大きな値動き(前日比で設定割合を超える株価変動)をしていれば「●×は大きく値が動き、×■円高(安)に」

・IRが出ている銘柄で大きな値動きがあれば「●×は本日発表されたIRを材料として大きく値が動いた」とコメント


などなど、市場の動向データを詳細にピックアップした上で、考えられるさまざまなパターンを条件付けして文章として形成するようにすればよい。表現が単純になりやすいのなら、例えば「高安まちまち」の部分を「もみあい」とか「方向感の定まらない」など、類義語をいくつか用意しておいて乱数で差し替えるようにすればOK。

味気ない話ではあるが、同時に便利なやり方であることも事実だ。詳細な株式市場データの取得権限とプログラム技術があれば、比較的簡単に出来ることだろう。自動生成された文章を元に人間の手を加える必要はあるだろうが、日本でも実はすでにこのような方法が用いられている……のかもしれない。

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