アメリカ産牛肉輸入再開で原産地表示を求める動き

2006年08月21日 05:30

牛肉イメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]が報じたところによると、先日輸入が再開されたアメリカ産牛肉が日本国内で流通するのに伴い安全性への関心が高まる中、あい引き肉や味付け肉など一部の牛肉の加工品について、10月から原産国の表示が義務付けられることになった。しかし大半の加工品が対象とならなかったことから、【全国消費者団体連絡会】をはじめとする消費者団体は、事業者が積極的に表示するよう求めているという。

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食品の表示義務を定めるJAS法では、生の牛肉以外は原産国の表示が義務付けられていなかった。そこで「少しでも」加工していれば原産国表示義務が無くなるため、消費者側の不安が高まる原因となっていた。この不安を避けるため、牛肉を加工した商品についても、今年10月から表示が義務付けられるようになった。

しかし今回の義務化で新たに対象となったのは「あい引き肉」「たれにつけた牛カルビ」「牛肉のたたき」など、生に近いものだけ。ハンバーグやローストビーフ、レトルトカレーなど、大半の加工品については表示対象となっていない。これは産地の特定が難しい上、表示の手間やコストがかかるとして食品業界などが反対したため

今回の輸入再開と表示義務の中途半端な改正について「全国消費者団体連絡会」では「アメリカ産牛肉の輸入が再開され、原産地の表示に対する消費者の関心が高まっている。国民が自分の判断で商品を選べるよう、事業者は積極的に表示してほしい」とコメントし、それと前後して【米国産牛肉等の輸入再々開の決定に当っての要望】という提言で、

1.生鮮牛肉の原産国は正確に表示されるよう徹底してください。
2.加工食品の原料原産地表示についても、JAS法で定められている範囲にとどまらず、積極的な情報提供を要望します。
3.「外食における原産地表示のガイドライン」に基づいた表示が積極的にされるよう要望します。


という要望を各牛肉を原材料とする食品事業関係団体に発している。

【農林水産省】でも今回、義務化されなかった加工品について、当面は対象とはしない方針だが、事業者に対して積極的に情報を表示するよう求めていくことにしているという。

「アメリカ産牛肉を選ぶかどうかは消費者が判断すること」としておきながら、その判断すらしにくい状況なのは少々困りモノかもしれない。業界側にしてみればコストや手間がかかるのは事実だか、ここで自主的に表示・表明をして消費者にアピールするかどうかで、「いかに消費者のことを考えているか、消費者側の立場で考えているか」という誠意を見せることができるはずだ。各事業者の決断と努力に期待したい。

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