骨粗しょう症に血圧降圧薬が有効、大阪大研究チームが解明

2006年08月15日 12:30

[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると骨がもろくなる骨粗しょう症の多くのケースで、高血圧を引き起こすのと同じ体内ホルモン物質「アンジオテンシンII」が原因であり、このホルモンを抑える血圧降圧薬が骨粗しょう症にも効くことが証明された。大阪大学大学院医学系研究科の森下竜一教授らのチームがラットを用いた実験で解明した。

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骨粗しょう症の患者は日本国内で約1000万人いるといわれているが、特にホルモンバランスが変わる更年期以降の女性が患者となる「閉経後骨粗しょう症」の症例が多い。この病気では高血圧を伴う人が目立つことでも知られているがこれまで原因は分かっていなかった。

森下教授らはラットを用いて患者と同じ状況を設定し、高血圧・閉経後骨粗しょう症を引き起こすアンジオテンシンIIを抑える「オルメサルタン」を投与したところ、骨粗しょう症の症状が止まったという結果を得た。

閉経後骨粗しょう症の場合、骨を形成する「骨芽細胞」自身は健全な場合がほとんどで、アンジオテンシンIIを抑えて(閉経後骨粗しょう症の患者に発生しうる、骨組織を破壊する)破骨細胞の増殖と活性化を弱めれば、一度減った骨の密度を元の状態に近づけることは可能としている。そして本来は降圧薬であるアンジオテンシンIIを抑えるオルメサルタンが、骨粗しょう症の新しい治療薬になる可能性は高いとのこと。

森下教授は「高血圧で骨粗鬆症という人はかなりの人数で、今回のオルメサルタンという1つの薬で両方の治療になるケースは多い。オルメサルタンは副作用も少ないので有効な治療法になる」と話している。

多数の患者が存在する骨粗しょう症のうち、一つのパターンにおいてでも副作用の少ない効果的な治療薬の開発に可能性が見えてきた今回の発見は、この病症に苦しんでいる人にとっては朗報に他ならない。正しい検証を重ね、一刻も早い実用化を目指してほしいものだ。

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