【更新】食品メーカーのウェブゲームが肥満を手助け? 子どもに人気のサイトが人気集中で非難を受ける

2006年08月14日 07:00

ネット内広告イメージ[産経新聞]などが報じたところによると、【カイサー・ファミリー財団(Kaiser Family Foundation)が7月19日に発表したリリース】で、お菓子やシリアルなどの食品メーカーのウェブサイトに置いてあるゲームに子どもが夢中となり、インターネットを通じた広告が効果的なため、子どもの肥満に拍車をかけているとの報告が行われた。2005年にお菓子やシリアル、ジュースメーカーやファストフード大手のサイトについて、子どもを対象とした宣伝の実態を調べた結果によるもの。

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それによるとテレビCMも展開している大手ブランドの85%がオンライン上でゲームも含めた子ども向けの宣伝を展開。77のサイトから4000ページ以上が閲覧でき、546ものゲームが用意されていた。2005年の4月から6月の3か月間で、2歳から11歳によるアクセスが1220万件に達したという。

調査対象となるサイトの3/4にあたる73%が広告用ゲームを含んでおり、さらに繰り返してプレイすることを求めているゲームは71%、複数のレベルでのゲームプレイが可能な仕組みが用意されているものは45%、他のゲームのプレイを誘う勧誘が施されているのが22%など、「長時間ウェブサイト上でゲームを楽しみ広告効果を一層反映させるための仕組み」がゲームで構築されていることが明らかになっているという。

レポートで具体例のひとつとして挙げられたKelloggのFunKtown。「劇場形式のテレビコマーシャル」を見ることで、閲覧している子どもたちはスタンプを稼ぐ事が出来る。
レポートで具体例のひとつとして挙げられたKelloggのFunKtown。「劇場形式のテレビコマーシャル」を見ることで、閲覧している子どもたちはスタンプを稼ぐ事が出来る。
別の一例。チョコレートのM&Mのトリビアゲームでは、M&Mに関するさまざまな情報をクイズ形式で学ばせてくれる。
別の一例。チョコレートのM&Mのトリビアゲームでは、M&Mに関するさまざまな情報をクイズ形式で学ばせてくれる。

また、サイトの2/3にあたる64%が「このページを友達に知らせる」というメール機能を使ったバイラル・マーケティング方式を用いている、38%のサイトでポイント方式などで商品を買うとゲームが有利になる仕組みがある、1/4にあたる25%のサイトで12歳未満の子どもでも会員として受け付けているなどと報告している。

同財団の娯楽メディア・健康研究担当のVicky Rideout氏は「(オンライン広告はテレビCMほど広まってはいないけど、確実に深い影響を及ぼしている)Online advertising's reach isn’t as broad as that of television, but it’s much deeper」とコメントしている。

要は

「アメリカで問題になっている肥満、特に子どもの肥満問題には食品メーカーのインターネット上の広告も大きく寄与している。ゲームなどで子どもの関心を引くのはよろしくない。だから今後は注意し、あるいは自粛や規制も必要ではないか」


というものだが、その意見には賛否両論が投げかけられている。アメリカ疾病対策センター(CDC)のウィリアム・ディエズ氏は「新たな視点を提供してくれた」と評価している一方、アメリカ広告主協会のダニエル・ジェフ氏は「子ども向け広告の排除や政府による規制は肥満防止には効果がないことは証明されている」と反発。エール大学心理学者のケリー・ブラウネル氏は「(広告云々と規制の動きを進めるより)子どもがまどわされないよう親が指導すべき。広告をブロックするソフトも有効」と話しているという。

実際のところ「しつけ」という意味では、ケリー・ブラウネル氏の意見がもっとも正当ではないかと思われる。あまりにも過度な話ならともかく、今回のレポートで例示されているようなサイトなら問題はないレベルに見受けられるからだ。

また、今回のレポートは宣伝効果について、問題提起されるほどに有効だという証明にもなり、広告を製作展開しているサイドにしてみれば「してやったり」という感もあるかもしれない。

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