紳士服のアオキ(8214)、フタタ(9879)に対し経営統合を申し入れ

2006年08月08日 06:30

株式イメージ紳士服業界第2位の【アオキ(8214)】は8月7日、業界第8位の【フタタ(9879)】に対し、株式公開買付(TOB)による経営統合を申し入れたと発表した(【発表リリース、PDF】)。8月14日を回答期限とした提案質問状も提出している。

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アオキがフタタと経営統合を模索した理由については、アオキが九州地域に事業を展開するため、同地域で91店舗を保有しているフタタを傘下に収めて一挙に進出したいという狙いがある。なお現在アオキは同地域に店舗を持っていない。

現在フタタの株式は業界第4位の【コナカ(7494)】が20.2%を取得する形で筆頭株主となっており、創業者一族の管理会社ワイアンドイーが13.4%・その他創業者らが3割以上を保有しており、この2勢力だけでも過半数に達する。コナカはすでに一部報道に対し今回のTOBに応じる考えはないとコメントしており、アオキの動き方次第では敵対的買収に発展する可能性も出てきた。フタタは今件については多少困惑しているようすで、現在のコナカとの資本関係も含めた業務提携が成果をあげていないとは思えない(のでアオキとの経営統合は必要ないかもしれない)ので、提案内容をよく分析してできるだけ早く対応を公表したいとコメントしている。

今回のアオキのTOBの条件は1株あたり700円。これは(売買が少なく値がぶれ安いとはいえ)8月7日の段階の値である400円をはるかに上回る。この買い付け価格でできるだけ多くの株式を取得した上、株式交換方式で完全子会社化を目指す。買い付け期間は8月下旬から一か月間を予定している。

TOBについてアオキ側では「フタタの運営、業務または財産に重大な変化が生じるおそれがある場合、または本公開買付けの実施が困難となるか、本公開買付けや本経営統合の円滑な実行に支障となる特段の事情等が生じた場合には、本公開買付けの実施を中止することや、本提案書と異なる条件で実施することがあります」と説明しており、質問状の回答日14日までにフタタ側から好意的な回答が得られなかった場合、さらなる対策を検討するとしている。

現在進行中の【王子製紙(3861)】【北越製紙(3865)】を巡る製紙業界内大手同士のTOBに続き、紳士服業界でも業界再編の波が一挙に到来しそうである。やはり(原油高や消費動向の変化という共通前提環境はあるものの)連鎖反応というものは起きうるものなのだろう。

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