アメリカ産牛肉輸入再開決定、日本市場での反応は冷ややか!?

2006年07月28日 06:30

牛イメージアメリカ産牛肉の輸入再開が7月27日決定されたわけだが、【Mainichi INTERACTIVE】などの報によると、日本国内の関連企業の反応は比較的冷静で冷ややかなようである。牛丼チェーン店「すき家」を展開する【ゼンショー(7550)】の小川賢太郎社長は7月27日記者会見の中で、「消費者に安全という保証ができない」として同グループ内ではアメリカ産牛肉を使用しない考えを改めて強調している。また同社ではアメリカで展開しているレストランチェーン店「カタリーナ・レストラン・グループ」ででもアメリカ産牛肉を使わない可能性を示唆している。ゼンショーでは社長自らが渡米して加工業者などをチェックした上で、危険部位の焼却処理と全頭検査の実施が実現しない限り、米国産を使用しないことを決めていた。

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かつて牛丼最大手で某プロレス系漫画でもそのテーマソングが歌われるほどの有名さを誇る【吉野家ディーアンドシー(9861)】が輸入再開後の採用に積極的な一方(量が揃わないので限定販売となる予定)、【松屋フーズ(9887)】の「食の安心に対する消費者の意識が高まっておりアメリカ産牛肉の使用は難しい」というコメントにもあるとおり、外食産業の反応は鈍い。

大手スーパーでも【イオン(8267)】が「消費者が安心して買うか疑問」、【イトーヨーカ堂(3382)】が「アメリカ産牛肉に対する信頼が得られていない」など消極的、というより模様眺めの状況。元々ステーキにアメリカ産牛肉を使っていた【すかいらーく(8180)】でも、当面は利用しない方針。

アメリカ産牛肉は輸入禁止措置が取られてから、日本国内におけるシェアでオーストラリア産牛肉に大きく水をあけられている。現在ではオーストラリア産牛肉の割合は輸入牛肉全体の9割前後を占めているという。牛肉そのものの消費量も減っていることとあわせ、アメリカ産牛肉の日本国内における「復権」には時間がかかりそうだ。

輸入の再開そのものは「選択肢」が増えるという観点で考えると、もちろん大歓迎に他ならない。あとはいかに消費者がそれぞれの選択に従って商品を選べるよう、正しい情報と安全な食品の提供ができるか、が焦点となるだろう。

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