ゼロ金利解除で恩恵を受ける銘柄とは

2006年07月17日 06:00

株式イメージ【ゲンダイネット】において、7月14日に解除された日銀のゼロ金利政策で恩恵を受ける銘柄の数々が掲載されていた。もっとも顕著なものは、「たくさんの現金を持っていて(金融機関に預けているので)その利子が収益として期待できる企業」だという。なるほどしかり、ということで紹介してみる。

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本来このような「無借金で余剰金を山ほど持っている企業」は四季報なりを調べれば一目瞭然。特にCD-ROM版ならデータを抽出して、現預金から有利子負債を引いた事実上の余剰金の大きい銘柄を簡単に探し出せるはず。が、今回のように「すでにピックアップしてもらっている」銘柄を確認してみるのも一つの手だ。

記事で利上げ恩恵効果を受ける筆頭銘柄として挙げられているのが【武田薬品(4502)】。現預金を4500億円以上持ち、有利子負債は54億円に近い。自社株買いをし始めているのもプラスポイント。かつては「1円も儲けなくとも20年は戦える」「金利だけで会社が経営できる」といわれるほどの預貯金を誇る(現在8000億円)【任天堂(7974)】や、4700億円以上の【ファナック(6954)】も有望。

そのほかにも無借金経営銘柄として【東京製鐵(5423)】【日本電産(6594)】【コパル電子(6883)】、現金などと同等物が1兆円以上ある【キヤノン(7751)】は、7期連続最高益を更新し続けていることでも○。

事業利益(営業利益+受取利息・配当金)÷支払利息・割引料で算出される、「インタレスト・カバレッジ・レシオ」、すなわち企業の金利負担能力が高い企業として、【トヨタ車体(7221)】【トッパン・フォームズ(7862)】【住商リース(8592)】も有望。

もちろん金利の上昇で、上昇分そのままを自社の顧客への金利引き上げに回さずに利ざや部分を増やしていることで、利益が拡大するのは確実な銀行セクターも注目株。【みずほフィナンシャルグループ(8411)】は、早くも傘下のみずほコーポレート銀行が長期プライムレートを引き上げる方針を固めている。【三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)】【三井住友フィナンシャルグループ(8316)】も同様。また、地方銀行では投資判断が引き上げられた【横浜銀行(8332)】や、【福岡銀行(8326)】が要注目。

他にも一時的ではあるが金利上昇で住宅ローンの引き上げや消費税アップの前に、ということで駆け込み需要が期待できる住宅セクターも取り上げられている。例えば直近の受注が大幅増の【大東建託(1878)】、減損処理にめどがたった【積水ハウス(1928)】などは有利子負債がないことでもチェック。昨年上場したばかりの【日本社宅サービス(8945)】も、社宅関連事業が拡大中。

金融機関などによる利子・利息がどこまで会社の経営を下支えしてくれるかは不明だが、少なくとも「何もしなくとも入ってくるキャッシュが増える」のは悪いことではあるまい。もっともそれだけの資金を金融機関に預けっぱなしということは、経営資源を有効に活用していないとも受け止められる。会社の体質などとあわせ、良く考える必要もあるかもしれない。


(最終更新:2013/09/17)

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