オレオレ詐欺、次のネタは「村上ファンドで損した」

2006年07月10日 06:00

[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると、茨城県の女性(70)が7月9日までに、おいを装った男に100万円をだまし取られたと警察に届け出た。俗に言う「オレオレ詐欺」にひっかかったのだが、そのネタが「村上ファンドで損をした」のだという。

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「オレオレ詐欺」とは対象者の肉親や知人に成り代わり、電話越しに危機を訴えかけて偽の口座に現金を振り込ませるという詐欺手法。相手に本人であるかのように「俺だよ俺、俺」と語りかけることから「オレオレ詐欺」といわれている。痴漢の加害者になったので賠償金を支払わねばならない、事故の補償金、会社のお金の使い込みの補てんなど、だます話のネタは尽きることが無く、また社会情勢を巧みに取り入れている。

今回この女性に用いられたネタは「村上ファンド」。いわく、「村上ファンドに融資してお金を損してしまった。今日中にどうしても100万円を返さなくてはならない、助けてほしい」というもの。女性のおいの声に似ていると思い電話越しに確認したところ「そうだよ」と答えたために信じ込み、100万円を指定口座に振り込んでしまったという。ところが8日に本物のおいと会い、だまされたことに気がついた。

実際に村上ファンドが仕事などで関係もないのに100万円単位の小口でファンドへの融資を引きうけるはずがない。また、村上ファンドが購入した株式の株価が最近下落する傾向にあるのは事実だが、ファンドそのものが損失を出したわけではないのは、日銀の福井総裁の例を見ても明らか。ちょっとした知識があればすぐにウソだと見抜けるのだが、世間一般では「村上ファンド」「所有株が急落」という言葉が連呼されているため、信じてしまう人もいるのだろう。

読者諸君はこんな安易な話にひっかかることはないと思うが、例えば「○×株の急落で追証がかかり、明日までに100万円がどうしても必要になった。助けて欲しい」などというような「オレオレ」パターンが今後出てくるかもしれない。くれぐれも注意されたい。


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