「株主爽快」最新掲載号レポート、合言葉は「狼狽(うろた)えるな!」

2006年07月01日 20:55

「株主爽快」イメージ先に【株系漫画「株主爽快」連載スタート、第一回目を早速チェック】などでも紹介した、集英社発行の隔週青年誌「ビジネスジャンプ」で連載されている、株式投資漫画『株主爽快』(かぶぬしそうかい)。連載スタートから毎号購入しチェックを入れているが、今回は第五回という節目にあたる回ということもあり、あらためてレポートを。

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読者の皆さんもすでにご存知の通り、『株主爽快』の連載が始まった5月以降、天井感のあった東京株式市場は急落を開始。今回掲載号の対象となっている6月中旬は、まさに日経平均でも底値をつけている時期でもある。いわば『株主爽快』は相場天井感でスタートし、最新号当時は下落街道一筋を突っ走っている最中であり、運がないといえば無い展開。当号でも1ページめから、作者=主人公の橘かおる先生はまさに「くさったしたい」状態で描写されている。

アドバイザーに付いている、公認会計士で『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』などの著書で名を知られる山田真哉氏もこの下落については「アメリカの不調による世界同時株安だ」と分析しているが、その一方で主人公の選んだ銘柄にも問題がある、としている。

ところが主人公が「損が立て込んでいる銘柄など見たくも無い」と損切りしようとしたところ、山田先生は次のような魂の叫びを上げ、それを押し留めている。いわく、

株価全体が下がったからって狼狽しない!
やまない雨がないように、下がり続ける株価も無い!!
(中略)
狼狽売りは損のもと!!


この言い回し、実は今号のオチになる科白回しでもある。

さて、その上で山田氏は、「損切りするならこの銘柄」として【TAC(4319)】を挙げ、色々と説明を加えている。主人公の橘先生は自分の人生観に重ね合わせ、泣く泣く損切り。新たに某有名コーヒーチェーン店を「株主優待も嬉しいな」という理由で購入している(銘柄の詳細は冊子を手にとって確かてほしい)。当初20万円あった資産(先生曰く「直感運用資産」)は、6月9日現在約16.1万円。

最後に山田真哉氏が自分の手持ち銘柄【マーベラスエンターテイメント(7844)】一押しの、あるメガネアイドルのCDを薦めて「メガネっ子好きカミングアウト」をしてオチをつけ、原作としての今号は終わっている。値動きと原稿の締め切りを見る限り、恐らく橘先生は6月2日にTACを損切りしたのだと思われる。

「実は今号のオチになる科白回しでもある」と先に表現したのは、その後のTACの値動きにつながるところがあるからだ。編集部が損切りされたTACの株価について追跡調査をし、「原稿が上がった6月15日にTAC株急騰!」と柱(漫画のページ横の部分)でツッコミを入れていることに他ならない。そのあとに「呪われてるとしか言えない」とドライな感想を述べている。

TAC(4319)のチャート
TAC(4319)のチャート

チャートを見ればお分かりの通り、橘先生が売った直後に出来高を伴う大きな下げがあり、その後TACは上昇をはじめている。短期範囲でのチャートを見る限り、あく抜けして上昇気運にのりそうな雰囲気すらある。

市場そのものがこの前後から持ち直してきたという理由もあろうが、あまりにもタイミングが良すぎて、漫画のストーリーとしては最高の展開を続けている『株主爽快』。先日放送された某仕手戦ドラマのように「金融資産ゼロ円」などということは基本的にありえないから「種銭が無くなって連載終了」という可能性はない。身近な個人投資家らしい判断と選択を続け、面白おかしく長期連載を続け、できれば優待などで楽しみながら少しずつ資産を増やしてほしいものだ。


■関連記事:
【「ビジネスジャンプ」で株系漫画「株主爽快」が5月1日から連載スタート】


(最終更新:2013/09/18)

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