【更新】副作用の少ない抗HIV剤が開発、他のウイルスにも効果

2006年07月12日 06:30

時節イメージ[YOMIURI ONLINE]によると、新しいタイプの抗ウイルス剤が東京医科歯科大学・国立感染症研究所・岐阜大学などの研究チームが開発した。【アメリカ科学アカデミー紀要の電子版(The Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)】に7月11日に掲載されるという。

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今回開発されたこの抗ウイルス剤は、細菌に感染したウイルスが増殖する際に、その増殖をこれまでの薬とは違うプロセスで邪魔をして、それら悪玉ウイルスが増えるのを防ぐ働きを持つ。従来の薬と比べると副作用が少ないだけでなく、理論的にはウイルスの進化による耐性ウイルスも出現しにくいとのこと。今抗ウイルス剤はエイズウイルス(HIV)だけでなくSARSやサイトメガロウイルスなどでも効果が確認されたとし、注目を集めている。

ウイルスは短い生命サイクルで増殖する性質を持つため、世代交代スピードが速く、その分環境や対抗剤への耐性が(進化によって)つき易い傾向がある。今回の抗ウイルス剤の場合、例えばHIVならDNAから複数のRNAが生み出されてウイルスが増殖する過程において、そのRNAが精製される過程そのものをブロックしてしまう。ウイルスの増殖が防げれば、既存のウイルスの寿命切れを待つことで体内のウイルス数は減少することになる。

具体的な薬品化がなされるまでにはまだ紆余曲折があるだろうし、時間も少なからず必要とされるだろう。しかしHIVやSARSなど、これまで事実上不治の病とされてきたウイルス系の病気に対して治癒の可能性が見えてきたことは喜ばしい話である。今後の研究の進捗を注意深く見守りたいところだ。

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