【更新】駅弁も「豪華一点主義」へ!? 1人前3800円の駅弁が連日完売

2006年07月02日 11:00

大人の休日弁当イメージ[YOMIURI ONLINE]に「駅弁の高級化が進んでいる」という主旨の記事が掲載されていた。駅弁といえば「ご当地名物+お茶」のセットで1000円プラスαというのがイメージされるが、記事によると1個2000円以上もする駅弁が特に女性客らの間で人気を博しているという。

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新幹線をはじめとする鉄道の高速化やコンビニ弁当の普及で、駅弁は一時期売上が激減していたという。1993年には年間891万個だった販売数が2000年には約半分の458万個にまで落ち込んだ(JR東日本の駅弁販売担当【日本レストランエンタプライズ】データ)。そこで、日本レストランエンタプライズでは「駅弁利用者数が減っているのなら客単価を上げて売上を維持しよう」という主旨のもと、駅弁の高級化路線を試み、大成功を収めた。

最初は東京駅などの主要駅で「懐石弁当 大人の休日」を販売。当初は2200円と、駅弁が通常800円から1000円の相場で「高すぎるのでは」という懸念があったという。だがいざ売りに出してみると、特にこだわりを持つ女性にウケが良く、平日でも200個くらい、休日には400個も売れるようになった。駅弁の世界では1日200個売れればヒット作と言われるとのことで、この販売個数はまさしくヒットどころか「ホームラン」級のものとなる。単価も通常の駅弁の倍だから、業者側としては「個数」「売上」両面でホクホク顔(現在では2000円で販売中)。

極附(きわめつき)弁当イメージさらに業者側では1日30個限定で「極附(きわめつき)弁当」なるものを販売した。こちらはまるでおせち料理のような二段重ねの弁当箱にズワイガニや車えび、牡蠣、黒豚の味噌漬け、甘鯛など厳選素材を盛り込み、駅弁の常識では考えられない「お品書き」までつけた。値段は3800円。「さすがにこれは無理だろう」という業者側の思惑に反し、毎日完売が続いている。

日本レストランエンタプライズ以外でも、同様に「高級駅弁のニーズの高まり」傾向は見られ、駅弁の平均単価も2000年の890円から2006年には1060円と統計データ上でもつり上がったことが確認されている。同社ではこれについて、「年に1~2度の『ハレの旅』の思い出として、駅弁も大切にしたいというお客さんが増えたのでは」と分析している。なお日本レストランエンタプライズの駅弁販売個数も、高級化戦略が功を奏したようで、2004年には875万個までに回復したとのこと。

海外旅行や遠出をした際に、つい日常では入った事のないレストランに足を踏み入れたり、食べたこともない高級料理の誘惑に駆られるのはよくあること。非日常を演出する旅行においては、もっとも身近な生活習慣の一つ「食事」でも、普段とは別世界の雰囲気を楽しみたい気持ちは十分納得の行くもの。「高級駅弁」といってもせいぜい1人前5000円も出せばおつりが来る。

「とっておきの時間」を満喫している最中に、日常の食生活を思い起こすような駅弁では興ざめしてしまう、ならば駅弁も日常とは別世界のもので「演出したい」と思うのは人の常、ということなのだろう。

ちなみに日本レストランエンタプライズでは、一部路線で高級駅弁の予約受付もしているという。【えきねっとショッピング】で行っているので、該当路線で旅行する予定のある人はチェックしてみると良いだろう。

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