三重県庁の売店「ドッとムービット」が通信販売で自転車操業、経営破たん

2006年06月15日 07:00

時節イメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]が報じたところによると、三重県の県庁内にある売店で家電製品を販売していた【ドッとムービット(現在サイトは閉鎖中)】が経営破たんをし、【価格.com(2371)】上で通信販売をして代金を先払いしていたお客から代金の返金を求める電話が県庁に相次いでいることが分かった。被害額は3000万円を超えるとのこと。

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記事によるとムービットは1995年から三重県の県庁の地下1階で、県の職員の互助会の会員を対象に営業していた。その他インターネットの通信販売で全国から注文を受け付けていたが、「赤字を別の客の振込みで補てんする」という自転車操業的経営手法が行き詰まり、6月12日自己破産を申し立てたという。

この「ムービット」では本店所在地を「三重県津市(中略)三重県庁厚生棟売店内」と書き、テレビやビデオ、パソコンなどを市価より安く買えるとして、先払いで代金を受け取ったあと、商品を発送していた。サイトの注意書きにもわざわざ「大型商品につきましては代引き不可、先振込となります」と記載されている。大型商品で代引きを使わないあたり、危なさも感じられるが、県庁内にあるのだから大丈夫だろうという安心感をうまく「利用」したものと思われる。

しかし最近になって代金を支払ったのに商品が送られてこないというクレームが相次ぎ、先日の自己破産申告にいたり、代金を支払ったお客からは県庁に対し返金の問合せ電話が200件ほど届いているという。中には「県庁内の店だから信用していたのに」と県庁への苦情を語る者もいる。ムービット側の弁護士によれば商品を発送出来ないお客は100人以上、被害額は3000万円を超えるとのこと。

三重県庁側では「店頭での売り上げは毎月報告があるが、通信販売は店舗とは無関係だとして把握していなかった。県庁の中にある売店ということで、結果的に客を信用させてしまった側面はあったと思う。今後は通信販売も含めて、業者の経営状況をチェックしていきたい」とコメントしている。

なお【中日新聞】によれば、ムービットでは「仕入れ値よりも安い価格で販売」という、自転車操業以外の何物でもないような販売をしていた。

また【ムービットに関する価格.com上の掲示板】(参照:【楽画喜堂】)で、遅くとも今年の4月末あたりから「最安値だったので入金したが納品がなされない。説明も謝罪も無くぶっきらぼうなメール対応がなく電話にも応答しない」「2週間待っても連絡がないので直接店に文句を行ったらようやく届けてくれた」という意見が相次いでいる。

なお価格.comでは掲載基準として「納期が7営業日以内の商品のみ掲載すること」というのがあり、この基準において4月末の段階でムービットが抵触していたことがうかがえる。6月上旬の破たんまでの一か月強の間、価格.comが事実上放置していたということも考えられ、(6月はワールドカップ需要で大型テレビなど高額家電のニーズが高まっていた=被害額が増加していたという状況もあわせ)同社の管理体制のあり方にも疑問が投げかけられている。

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