猫やうさぎを飼うとアトピーのリスク上昇、犬は問題なしとの調査結果

2006年06月12日 06:30

時節イメージ【Mainichi INTERACTIVE】によると1歳になるまでに猫やうさぎを飼っていた過程の子どもは、アトピー性皮膚炎になるリスクが高いことが【国立成育医療センター研究所】の調査で明らかになった。一方同じペットとしてよく飼われている犬ではリスクは高くならないことも合わせて分かり、研究所の松本健治・アレルギー研究室長は「アレルギー性疾患の発症を促すのは、ペットの抜け毛で増殖するダニだけではない。ペットの種類に関係する別の原因がありそうだ」と説明しているという。

スポンサードリンク

アレルギー性疾患の発症は、子どもが生まれて早い時期における家庭内でのペット飼育と関係があるとされている。県境所では1万人近い、子どもを持つ保護者からアンケートの回答を受け、統計データを調べたという。その結果、1歳になるまでの間に家庭で犬を飼っていた子どもは585人、猫は352人、うさぎやハムスターなどのげっ歯類は132人だった。

そのうえで飼育歴のあるなしでアトピー性皮膚炎やぜんそくの発症率を比較したところ、それぞれ飼育歴がある場合が15.3%・16.7%、ない場合が12.8%・13.9%と、飼育歴があった方がやや高い結果が出た。さらに詳細データを調べると、猫を屋外ではなく屋内で飼うとアトピー性皮膚炎の発症リスクは1.6倍ほど、うさぎやハムスターでは最大3.1倍ほどになった。一方、犬の場合は屋外、室内飼いどちらの場合でも発症リスクに変化はなかったという。

また、ぜんそくについても猫やうさぎを飼っていた子どもの治ゆ率は、飼っていなかったり犬を飼っていた場合と比べると低いことが分かった。

なぜ猫やうさぎはアトピー性皮膚炎の発症率が高くなり犬はそうでないのか、その原因は今回の調査では明らかにされていない。また現段階では仮に猫やうさぎの飼育を止めても発症リスクが下がるのかも不明。ただ先の松本室長は「発症を避けたいなら、新たに飼い始めるのはやめた方がいいだろう」と話しているという。

猫やうさぎの室内飼育というと、やはりえさやふん、抜け毛などによる大気汚染などが要因と思いそうだが、犬の場合は問題がないとなると一概にそうも言い切れない。クイズではないが、犬には無くて猫やうさぎにはあるものを探すのが謎を解く鍵となるのだろう。

それより今回の調査結果の記事内容で驚いたのは、猫などの室内飼いをしていなくとも1割以上の子どもがぜんそくやアトピー性皮膚炎を発症してしまうということ。ぜんそくはかつて当方(不破)も発病した経験があるが、それは住んでいた地域が大気汚染のひどかったところだからであり、まれなケースかと思っていた。また、アトピー性皮膚炎もよく話題に登るものの、せいぜい2から3%程度の発症率かと考えていた。

それが実際には1割を超える率で発症しているのが現状だとは。近未来SF漫画や映画の舞台設定にあるような、大気汚染にまみれ、人々は常にマスクをしながらでないと外出も出来ず、さまざまな環境公害による疾病に悩まされる人々が住まう世界が、実はもうすぐそばまで来ているのかもしれないということを考えると、少々気が重くなってくるのは否定できない。

また、今回の調査結果に限った話では、かつて幼少期にペットを飼うとかえって(身体に体性がついて)アレルギー発祥率が低くなる、という統計があったと記憶している(今回は裏が取れなかった)。単純に「ペット飼育の有無」だけでなく、ぜんそくやアトピー性皮膚炎の原因ともされている住宅内のホルムアルデヒドの存在やハウスダスト、親族の同様の病症の発生の有無など、他の要因ともあわせて検証すると、今回の結果も違った内容となるかもしれない。多方面からの精査が必要となるだろう。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ