【更新】東京地検、ニッポン放送株式のインサイダー取引の疑いで村上ファンド幹部を任意で事情聴取との報

2006年06月02日 06:55

株式イメージ[YOMIURI ONLINE]などによると、ニッポン放送(すでに上場廃止)株式の売買を巡って村上世彰氏が率いる投資ファンド「村上ファンド」の中核の投資顧問会社[MACアセットマネジメント]の元役員の同ファンド幹部や、取引のあった証券会社関係者が東京地検特捜部から任意で事情聴取を受けていたことが明らかになった。MAC社ではライブドアが2005年2月にニッポン放送株式を大量に買占め買収工作を始める前に、同社株式を購入していた。証券取引法は「株式の買い占め情報を事前に知った者が公表前に株を購入する行為」をインサイダー取引として禁じており、特捜部は同法違反にあたるかどうか慎重に捜査している。

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すでに昨年何度と無く報じたように、ニッポン放送株式はフジテレビ(4676)が完全子会社化を目指すのと前後しライブドアが時間外取引などで35%という大量の株式を取得し、激しい駆け引きが繰り広げられた。これがのちに両社の和解とライブドアの第三者割当増資のフジによる引き受け、そしてライブドアの証券取引法違反容疑による株価下落での大損失、フジの損害賠償請求の訴えに続いていくことになる。

MAC社の「公開情報として存在する」大量保有報告書などによると、同社は2004年4月までにニッポン放送の発行済み株式の約11%を保有する大株主だったが、同年10月~2005年1月に同株を買い進め、保有株数は計約609万株、約18%に膨らんだ。特に同年1月5日にはわずか1日で約80万株を買い付けていた。証券取引法では、発行済み株式の5%以上を買い占める行為を「投資家の投資判断に影響を及ぼす行為」と位置づけており(5%ルールなど)、こうした買い占め情報を買い占めの実行者から聞いた者が、その公表前に株を購入するとインサイダー取引にあたる。

ライブドアがニッポン放送株の買い占めを「公表」した2005年2月8日以前に、MAC社側がこの買い占め情報をライブドア側から伝えられ、同株を買い増していた場合には、インサイダー取引にあたる可能性がある、と複数の関係者は指摘している。東京地検特捜部でも村上氏の側近のMAC社元役員らへの事情聴取で、ニッポン放送株購入の経緯や、ライブドア側からの情報提供の有無について説明を求めたとみられている。

MAC社はニッポン放送の株式についてはライブドアの買収が報じられたあと高騰し6000円台後半だった2月末までにほぼ8割を売りぬけ、多額の利益を得ている。

今件について元記事によれば村上ファンド側では、「法令順守には気を使っているので、問題はないと思っている」とコメントしているという。

とはいえ、まったくの別件ではあるが「盗作絵画事件」や某「会計の解釈で取引所と何度と無く上場廃止に絡んで訴訟合戦をしている企業」の件でもよく言われることとして、「物事が決まるのは自分での判断ではなく相手の判断によるもの」なのに、さも「自分の判断がこうだから間違いない」と正当化する状況は、どことなく似ているような雰囲気がある。もちろん自分の信念を持って行動することは正しくあり、正当化されるべきだ。が、度が過ぎると「単なる思い込み」や「正当化のための自己暗示」でしかない。今件でも法的解釈を行うのは最終的には関連監督庁である。

もし元記事で指摘されているような「インサイダー取引」が事実であり法令違反に該当すると判断されれば、同ファンドに絡んで色々と話題に登っている案件についても、ライブドア事件同様に再検証する必要が出てくる、かもしれない。

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