足利銀行の違法配当「証拠不十分」として栃木県警が立件を断念

2006年06月24日 12:45

株式イメージ現在国有化され再建中の【足利銀行】の旧経営陣が、破たん前の2001年3月期決算を粉飾して違法に配当を行ったとして、現経営陣が栃木県警に捜査依頼をしていた件で栃木県幹部は6月21日の記者会見において、「証拠不十分」とし立件を断念したことを明らかにした(【参照記事:asahi.com】)。

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今回の立件断念により、足利銀行における約6800億円の債務超過の責任追及は、現経営陣が元頭取らに損害賠償を求めて係争中の民事訴訟に委ねられることになった。会見では「足利銀行から提示された資料などを精査したが、刑罰や法令に違反するものはなかった」と担当刑事部長の口から語られたという。

足利銀行は相次ぐ公的資金の注入や増資をする一方で、ある特定国への不当資金入金の経由銀行になっているのではないかという疑惑や放漫に過ぎる経営方針が批難を浴びている。また、のちに親会社として設立された「あしぎんフィナンシャルグループ」の設立経緯も、優先株の復配目当てがありありと見て取られ、あまりにも「それをやっちゃぁおしめえよ」的な経営手法は当時話題となった。結局一時国有化され、現在再建中である。

また「あしぎんフィナンシャルグループ」の株式は足利銀行の国有化が決定された後に値を下げ続け、2003年12月3日には上場銘柄としては最安値となる1円をつけた。その後さまざまな思惑が絡み合い値は乱高下し(一時は24倍の24円まで上昇)、特にネット証券経由のトレーダーによるマネーゲームの場となり、一部市場関係者からは「あしぎん祭り」と揶揄され、伝説としていまだに語り伝えられている(【参考資料:J_Coffeeの株式投資日記より、兜町事件簿】)。

倒産株式の値動きの荒さを利用した利ざや稼ぎは昔から行われていたが、一般化とネット証券経由でのマネーゲームの活性化はこの「あしぎん祭り」がきっかであるともされている。さらに「あしぎん祭り」で大儲けしたさるトレーダーが「金儲けにむなしさを覚えた」として名古屋テレビ塔から100円札や1ドル札を大量にばらまき、各メディアで話題にもなったのは記憶に新しいところだ。

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