中国産割りばしの大幅な値上げでコンビニでの有料化を朝日新聞が示唆

2006年06月20日 06:45

わりばしイメージ【asahi.com】によると、これまでに何度か報じてきた中国産割りばしの大幅な値上げにからみ、コンビニエンスストアにおいて現在無料で配布されている割りばしが有料化される可能性が示唆された。

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【林野庁】の統計データによると日本の割りばし消費量は248億膳。そのうち中国からの輸入分は約241億膳と97%以上を占めている。中国産の攻勢によって、日本産割りばしの生産量は10年前の30億膳前後から約5億膳まで減ってしまう。

あとは以前紹介した「木材の中国国内での需要拡大による割りばし素材としての木材の大幅値上げによる割りばし自身の値上げ」だが、今記事では詳細なデータが記載されている。朝日新聞では珍しい話だ。それによると、【日本割箸輸入協会】の話として、

・シラカバなど原木の値上がり
・人民元の切り上げ
・付加価値税の還付停止
・原油価格上昇に伴うコスト高


を理由に、2005年12月1日から30%、2006年3月1日から20%の値上げを中国側は通知してきたという(後者は市場の混乱を避けるため現在延期中)。さらに環境保護の姿勢が明確化され、4月1日からは割りばしもぜいたく品として中国で消費税5%も適用されることになるとし、コスト高による供給の困難性はますます高まるとのこと。

各企業の具体的な動きも元記事では紹介されている。

[ファミリーマート(8028)]では2月に各チェーン店への割りばし売り渡し価格を値上げ。【ローソン(2651)】【オリジン東秀(7579)】【セブンイレブン(3382)】では輸入元の再検討を開始。【松屋フーズ(9887)】では価格転嫁はせずに経費削減で対応するものの、対策に苦慮。【吉野家(9861)】では「すでに乾いたぞうきんを絞るようなコスト削減を進めてきた。もう鼻血も出ません」(原文ママ)として頭を痛めている最中。

代替品となりうるロシアでも原木の値上げの動きを見せているということで、輸入品に頼るのはいずれにしても難しそうだ。海外からわざわざ割りばしの材料として木材を、あるいは割りばしそのものを輸入するのならともかく、日本の割りばしは「余って本来廃棄処分とする木片を割りばし用に使いまわす」、地球に優しく「もったいない」精神にもマッチしたもの。

需要に応じきるのは難しいが、まずは日本国内での割りばし生産の活性化を進めるしかないだろう。それと共に、割りばしそのもののコンセプトをドラスティックに変える発想を生み出すか、「マイはし」を普及するしか道は残されていないのかもしれない。


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