効果がBCGの1000倍の新型結核ワクチン、学会で発表へ

2006年06月01日 06:30

時節イメージ【asahi.com】によると【国立病院機構近畿中央胸部疾患センター】と自治医科大のグループが、DNAワクチンと呼ばれる新しいタイプの結核ワクチンを開発し、ネズミの実験でその有効性を確認したという。単独接種でBCGの1000倍、BCGと併用して使用すれば1万倍の効果を示したとのこと。BCGの効果が見込めない高齢者向けに特に期待される。6月1日から東京で始まる【日本呼吸器学会】で発表される。

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新ワクチンは、結核菌が持つ特定のたんぱく質と免疫力を高める働きのあるインターロイキンを作る遺伝子(DNA)を注射する。細胞内に取り込まれる工夫があり、強い免疫反応が誘導されるという。

ネズミを使った実験で、新ワクチンの場合はBCG接種のネズミの1000分の1しか結核菌が生き残れず、これは結核の発症を抑えられるほど。BCGを接種してから新ワクチンを打つことで、結核菌は1万分の1にまで抑えられたという。今後はサルを検証対象として確かめたあと、臨床試験(人間を対象にした試験)を行うという。

結核は年をとってから発症する場合が多数報告されているが、その一方でBCG接種は10年ほどしか効果がなく、さらに大人には効果が期待できない。結核というとすでに過去の病気のようなイメージがあるがさらあらず。現在でも世界で900万人が結核にかかり、200万人が犠牲となっている。日本でも毎年3万人の結核患者が報告され、約6割が60歳以上とのこと。

DNA使用のワクチンのため、副作用について長期間のチェックが必要になるかもしれないが、それでも一部の人には朗報といえるだろう。速やかな試験をしてほしいものだ。

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