【更新】「村上ファンド」の村上氏ら4人、週明けにも一斉取調べへ

2006年06月04日 12:30

[YOMIURI ONLINE]が報じたところによると、ニッポン放送株式の売買を巡っての村上世彰代表が率いる投資ファンド([M&Aコンサルティング]などによる「村上ファンド」)のインサイダー取引疑惑で、同ファンドを率いる村上世彰(よしあき)氏とその幹部3人の合計4人が、不正取引に深く関与した疑いが強いとし、東京地検特捜部はこの4人を証券取引法違反容疑で立件する方針を固めた。週明けにも一斉取調べを行うなど、本格捜査に踏み切ると見られている。村上氏は特捜部の任意の事情聴取に対し、インサイダー取引を否定している。

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元記事によれば幹部三人は村上ファンドの中核ファンドMACアセットマネジメントの元役員で、2人は村上氏の側近で同社設立以降取締役を務め、残りの1人は村上氏の後任として同社代表取締役に就任していた。

村上ファンドのインサイダー取引疑惑の内容は先に報じたとおりだが、特捜部では今件について村上氏本人が中心的役割を果たし、残りの3人が買い増しに関わってきたと判断した。ライブドア元幹部による供述が主なソースのようだ。

【阪神電鉄(9043)】の買収の一件で有意な立場にあるように見えて、実は「やりすぎから詰んでいた」ようにも見受けられた村上ファンド。状況の変化は意外にも阪神がらみではなく、過去のニッポン放送の件がきっかけとなった。ライブドア元幹部の複数の証言があるとされるだけでなく、それら幹部がかつてマスコミで語っていた科白なども再検証されており、少なくとも状況証拠は着々と固められつつあるようだ。

上場会社そのものへの捜査などではないため、かつてのライブドアショックのような大きなインパクトは(それこそどこぞの証券会社がやったように、影響力のある銘柄に対して信用取引の際の掛け目を突然大幅に引き下げるというようなことが無い限り)無いものと思われる。先に【インフォシーク、マネー情報サイト上で村上ファンド大量保有銘柄の一覧を掲載】で取り上げた一覧からも分かる通り、第一報が報じられた金曜の終値の段階ですら、下げたままの銘柄とつられ安となった後買い戻され反発した銘柄に両極化する傾向が見受けられる。

投信や外国勢などの売り、個人投資家らの狼狽(あるいは切実な)成行売りにより、月曜の市場では一時的な下げは避けようが無いだろう。だがそれも金曜のように、市場側では下げた銘柄について「見極め評価」が行われ、下げ止まらないものと反発するものに分かれることが推測される。

一番割りが合わないのは、余波を受けることになるであろう「健全な」新興市場銘柄。本当に健全だと信じるに足るものがあれば(現物買いなら)動じない、あるいは買い増しをすれば良いだけなのだが、人間とは心理的に弱い生き物であるのも事実。パニック売りのトリガーにならなければ良いのだが。

※インサイダー取引:上場企業の役員、社員、主要株主らがその地位や職務によって知り得た重要事実が未公表であることを利用し、自社の株などを売買する「会社関係者による内部者取引」と、株式公開買い付け(TOB)をする者の関係者がTOBの事実を知り、その発表前に株を買う「TOB関係者らによる内部者取引」の2つがある。罰則はいずれも3年以下の懲役または300万円以下の罰金。この取引で儲けたであろう利益の没収は無いため、「やり得」という厳しい意見も多い。

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