楽天(4755)とTBS(9401)間の和解協議、タイムリミットをひかえ山場を迎える

2006年06月09日 06:30

株式イメージ「村上ファンド」(『村上ファンド(www.maconsulting.co.jp)』などによる投資ファンド)騒動で「そういえば」と再度注目を集めることになった、[楽天(4755)]と【TBS(9401)】の和解協議について【asahi.com】に関連記事が掲載された。両社とも6月29日開催のTBS株式総会での衝突は避けたい一方、交渉決着の行方はいまだに見えないという。人々の記憶を呼び覚ますきっかけとなった「村上ファンド」の騒動も浅からぬ影響を与えているという。

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楽天はTBSの株式を大量取得(2005年10月に15.46%)して大株主の影響力を行使しつつ、TBSへ経営統合を求めた。TBSはこれを拒否し、対立が続いていた。このあたりの顛末はすでに何度も報じたとおり。現在までこの交渉・対立が続いており、相変わらず楽天はTBSの株式を取得したまま。考え方としては楽天は、株式取得のために用いた1000億円もの投資資金を有効に活かせないままでいることになる。金利もタダではないため負担がのしかかる(株主による配当もあるが)。楽天社内では、楽天自身の株価低迷の一要因として市場が判断してるとし、「早くTBS株式を売却して現金にした方が良い」とする意見も出てきたという。

第三の当事者として存在するのが村上ファンド。村上ファンド側では2006年5月の段階で5.79%のTBS株式を取得し、影響力を与えている。そして一連の展開で関連銘柄と見られ急落。6月8日の終値は(市場全体の低調さをも受け)2615円にまで下げている。平均3000円程度で楽天はTBS株式を取得しているので、楽に100億円を超える含み損が発生している。株価の下落は「さらなる株価下落を招きかねないし、楽天側も売りにくくなる」とTBS側も頭を抱えている始末。TBSとしてみれば「楽天側がTBSの株式をある程度でも売って、影響力を低めてくれればいいんだけど……でも村上ファンドの件で急落しちゃって、売りにくいだろうなぁ、困ったものだ」という心境なのだろう。

さらに、仮に楽天がTBS株式を売るとしても、1000億円分ものTBS株式をだれが引き受けるのかという問題もある。TBSによる自社株買いという方法が一番無難だが、それもTBSにとっては大きな財務負担となる。まさに楽天にしてみれば「1000億円分ものTBS株式」という大きな武器を手にしたつもりが、楽天だけでなくTBSにとっても「大きすぎて振り回されている」状況に他ならない。

楽天の三木谷浩史社長は周囲に「株を持ち続ければ、いつかは楽天の話に応じないTBSがおかしいという時期が来る」ともらしているという。TBSの株主総会までにその「いつか」がくるのかどうか、それまでに「1000億円もの資金を半ば寝かしているのはおかしい」と身内から言われる時期が来てしまうのか。色々な意味で楽天もTBSもチキンレースをしているように見えてくるのは当方(不破)だけではあるまい。

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