「スプー」は元々「おかあさんといっしょ」に登場する動物系キャラクタの一人。バナナが大好きな「男の子」で、ラッパを得意としている。今回ネット上で一躍話題となったのは、ある日の放送で「歌も踊りも完璧超人的な歌のお姉さん」こと「はいだ　しょうこ(拝田祥子、宝塚出身)」さんが絵描き歌でスプーの絵を描いたところ、まさにハロウィンのお祭りに登場するかのような、子どもが突然見たら泣き出してしまうかもしれない、まるで魔界から召喚した悪魔のような絵を描き出してしまったのがきっかけ。

多くのサイトで当時の放送を収録した動画が出回っているのですでに見たことがある人も多いだろう。ノリノリで絵描き歌と共に「自分の絵」を描き続ける「完璧超人しょうこお姉さん」と、描いている途中から「お姉さんの絵の”異変”に気が付き動揺を隠せない」一緒に絵を描いている歌のお兄さん(今井雄三さん)、完成した絵が披露されて凍りつくお兄さんや人形たち、それをものともせず「頑張りましたぁ」「良かった、描けて」とにこやかにリアクションするようすは、「これがNHKの番組なのか」(もちろんほめ言葉として)と見ているものを恐怖させるほどのインパクトを与えた。

この「スプー怪人」はあっと言う間に(正確には当時の番組を収録した動画がネット上に流れてから)うわさが広まり、そのインパクトの大きさや「天然的な面白さ」からもあわせ、大きな話題を呼んだ。さまざまなアスキーアートが広まり、まさに「ネット上のおもちゃ」にされつつある。

今回出展された創作フィギュアも、名前こそ「例の化け物」としか命名されていないが、この「スプー怪人」であることは間違いない。たとえ製作者本人が否定しても、皆がそう思えば良い、ということだろう。とはいえ、スプーが話題に登ってからまださほど時間が経っていない(放映そのものは4月28日前後だが、ネット上で話題になったのは5月下旬に入ってから)というのに、仕事の早さには感心させられる。

ともあれ、NHKは本当に「変わりつつある」のかもしれない。