【更新】スパルタ式糖尿病治療実験、大規模に展開

2006年05月23日 07:45

時節イメージ[YOMIURI ONLINE]によると東大など全国71の医療機関で、糖尿病患者の生活習慣などを従来の治療スタイルより厳格に指導し、脳こうそくのような重い合併症を3割抑えるという、大規模な臨床試験が近々始まるという。たとえば170センチの身長・72キロの体重の人なら3か月で8.5キロの減量を目指すという、ハイレベルな目標設定の上での実験。この実験成果を得た上で、合併症予防の新しい指針を作るとのこと。

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糖尿病は予備軍を合わせると1620万人も患者がいるといういわば「国民症」。さらに腎臓や網膜障害など細い血管だけでなく、脳こうそくや心筋梗塞など太い血管でも合併症は起きうる。今回の臨床試験ではこのうち、太い血管における合併症予防が主な目的。血糖値を下げるインスリンの働きが弱まる2型糖尿病患者を対象としている。

治験者の半数には現在の糖尿病患者向け治療ガイドラインに沿った標準療法を、もう半分には薬の投与を含めた血圧・脂質・血糖を正常に戻す強化療法(いわゆる「スパルタ式」)を3年間ほど継続して行い、成果の違いを見る。

海外では同様の強化療法で心筋梗塞の発症が半分以下に抑えられたという研究報告があったが治験者数が160人と少なく、今ひとつ信頼性に欠けるところがあったという。今回の臨床試験は3000人の患者を対象としているため、桁違いの精度・確証度が得られることが期待される。

記事を読む限りでは「強化療法」と「標準療法」の2通りしか並列検証されないようだが、もう少し治験者を増やし、「強化療法」の強度を調整したパターンを用意しても良いような気がする。「キツすぎると逆効果」と「強化で成果拡大」の境目が把握しにくいからだ。

研究結果が出るのは少なくとも3年以上後。発表のあかつきには具体的なプログラムの公開もしてほしいものである。

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