アメリカ空母オリスカニー、人工漁礁として第二の人生を歩みだす

2006年05月19日 06:30

Oriskanyイメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると朝鮮戦争やベトナム戦争にも参加したアメリカ海軍のエセックス級空母オリスカニー(Oriskany CV-34)が5月17日、世界最大級の人工漁礁として活用されるため、フロリダ州沖のペンサコラ沖約40キロのメキシコ湾に、爆破の上沈められた。

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Oriskanyイメージ元記事や【アメリカ海軍】の公式発表によれば、同空母は現地時間の5月17日午前10時25分に船体内にしかけられた爆薬が爆発し、37分ほどの時間をかけてゆっくりと沈んでいったという。

地元フロリダ州では世界最大規模の人工漁礁ができることで、ダイビングスポットとして、または釣りの名所として観光客が増え、経済効果が現れることを期待しているとのこと。

空母オリスカニーは1950年に就役し、朝鮮戦争、ベトナム戦争、地中海などで作戦任務についた。1962年のキューバ危機の際にはキューバ封鎖のために派遣されもした。1976年には予備役に編入されている。当空母の漁礁化は大型艦船を沈めて漁礁に役立てるというプロジェクトの第一サンプルパターンでもある。

なお空母オリスカニーは海底に沈んでからは所有権がアメリカ海軍からフロリダ州に移されている。今「漁礁」の構築で地元に与える経済効果は9200万ドルに達するだろうという試算もあるという。

アメリカを問わず世界各国で、不必要になった船を沈めて漁礁化するというやり方は用いられている。もちろん事前に周囲に与える環境的な影響など、詳細な調査が必要になる。「漁礁の効果など上がらず、単に海底のゴミを増やした」だけともなればお話にならないからだ。また、船の有害物質が海中で溶け込まないよう、注意深く事前準備をする必要もある。ただ単に爆破して沈めればよいというものでもない。今回の自沈・漁礁化も相当な事前検証などを必要としたに違いない。

「捨てるくらいなら譲って」と言いたくもなる心境もあるが、半世紀も前に竣工した空母ともなれば、本体のガタも相当なものがある。やはり記念艦として保存される以外は、スクラップ化や今回のような漁礁化は致し方ないのだろうか。

今後オリスカニーは海底から、アメリカを経済的に守る任務を果たすことになるのだろう。

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