昨今の株式市場低迷はライブドアショックから続く新興市場の下落スパイラル?

2006年05月19日 06:30

株式イメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると、昨今の株式市場、とりわけベンチャー企業が多く上場する新興市場での株価下落は、俗に言う「ライブドアショック」が尾を引いているとの見方があるという。今年1月16日のライブドアへの強制捜査を契機に下落した新興市場銘柄がその後現在にいたるまで低迷が続いているというのが、動かぬ証拠だと言う。

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元記事ではある証券会社の談として「ライブドアショックはまだ続いている」としている。ライブドアの件をきっかけに、新興企業への監査の目が厳しくなる傾向が見られるからだ。直近では【インデックス(4835)】【USEN(4842)】の下方修正が引き起こした株価急落が記憶に新しい。また金利上昇や原材料・人件費のコスト増も相乗効果的に、経営基盤が脆弱な新興企業を直撃するという。

新興市場の株価低迷で、これらの銘柄を信用取引の担保に用いていた投資家らが担保不足に陥り、追証のために株式を現金化する(あるいはさせられる)ため、優良株でも手放す必要が出てきてしまい、それが「売りが売りを呼ぶ」状況にあるという。

また偶然の一致か、【asahi.com】でも似たような論調の記事が掲載されている。こちらでは先のインデックスやUSEN以外に、5月に入ってからの事例として、【中央青山監査法人】の件や、【アーバンコーポレイション(8868)】の決算発表延期、【レオパレス21(8848)】の社長の不祥事と決算訂正が企業会計への不信感を高め、さらに【菱和ライフクリエイト(8896)】の件もあわせ、「新興企業に近い存在の会社で不祥事が相次いでいるため、新興企業が投資対象として敬遠されている」と分析するアナリストもいるという。

昨今あちこちで相次いで語られている「株式市場の軟調さを語る弁」は、まるで株式市場の軟調さすべてを新興市場銘柄においかぶせているかのようでもある。他に対外的要因(アメリカの会計年度や海外のファンドの日本株式の比率組み換え、先物の値動き動向、為替相場、原油の値動きなどなど)も多分にあるというのに。

事実、「ライブドアショック」に始まる「新興市場の事業、企業会計への不信感」「不動産セクターの将来性への不安」、さらに両元記事には指摘されていなかったが、特に新興企業銘柄に相次いでいる「決算発表直前の不自然な値動きによる企業体質そのものへの不信」は、スパイラル的に絡み合いつつマイナスイメージを市場関係者に植え付けつつある。

今年に入ってからの株式市場の軟調さ、特に新興市場におけるそれは、たまたま偶然なのかもしれないし、あるいは金属疲労のように「予定調和」的な事象なのかもしれない。もし新興市場銘柄に「化けの皮」で「偽装」がなされていたのだとすれば、「ライブドアショック」は「化けの皮がはがされる」きっかけに過ぎなかったのだろう。

「インサイダー取引の可能性が指摘される妙な値動き」は勘弁こうむりたい。それを別にして考えれば、「企業会計の厳密化と、各企業の本当の姿が見えてくる」現象は、痛みを伴うものではあるが、むしろ歓迎すべき状況だといえる。

この荒波にもまれ、連れ安しているであろう「真の優良銘柄」を見極め、安値で仕込んで「本領を発揮」するのを待ち望むスタイルこそ、中長期スパンにおける投資家としての醍醐味だといえよう。むしろ「ピンチをチャンス」として考えるべきだ。つまり自分が本当に良いと思った銘柄ならば「ここぞ買い場」と判断するのもアリ。「人の行く 裏に道あり 花の山」という言葉もあることだし。

……とはいえ、手持ち銘柄が「連れ安」とはいえ毎日のように値を下げるのは、精神的に辛いところがあるのもまた事実なのだが(笑)。

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