村上ファンド、突然の国内廃業。シンガポールに拠点を移し日本の規制の対象外に

2006年05月14日 08:30

株式イメージ村上世彰氏が率いる投資ファンド「村上ファンド」の中核の投資顧問会社【MACアセットマネジメント】が、投資顧問業の廃業届けを財務省関東財務局に提出したことが5月13日までに明らかになった(【参照記事:NIKKEI NeT】)。5月10日の段階で村上ファンド『村上ファンド(www.maconsulting.co.jp)』)からは運用会社の変更・全資金の移行について告知されており(『発表リリース、PDF』)、日本側の投資顧問会社がどうなるのか注目が集まっていた。

スポンサードリンク

今回の移送で事実上の「外資系」ファンドになったわけであり、日本株式の購入の際には日本における外資規制の影響を受けることになる。また、日本国内では投資顧問業務が出来なくなるし、5%ルールにおける特例措置(現行3か月、投資サービス法成立後は2週間後まで)が無くなり、5%以上の株式を取得した場合即時に大量保有報告書を提出しなければならなくなる。

一方、運用拠点の変更(シンガポール法人「MAC ASSET MANAGEMENT PTE. LTD.」へ)と日本国内の中核投資顧問会社の廃業により、今後村上ファンドは日本の投資顧問業法による規制の対象外となる。具体的には年1回の営業報告書の提出や、証券取引等監視委員会による検査の受け入れ義務が無くなる。

また、シンガポールは法人税率が日本に比べて安いなどのメリットがある。村上ファンド側ではこれらの利点の他に、インドと金融サービス自由化を結んでいるシンガポールに拠点を移すことでインドをはじめとするアジア株式への展開を検討しているものと見られている。もちろん日本の金融当局のチェック体制から少しでも逃れることも要因の一つにあったのだろう。

なおMACアセットマネジメントに資本金45%を出資していた【オリックス(8591)】は、5月12日の決算発表会において提携解消を表明。派遣している社外取締役も辞任し、出資はすべて引き上げられる(経営陣による株式買い取り)とのことである。2月の段階ですでに提携解消の申し出があり、4月に合意した。

とりあえず直近では、過半数の株式を握っているともいわれている【阪神電鉄(9043)】、外資になったことで買占め規制がかかった【TBS(9401)】株式について、村上ファンドがどのような動きをするのか注目が集まるところではある。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ