銀行、アイフルとの提携見直し、との話だが……

2006年05月09日 08:30

株式イメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]によると、【アイフル(8515)】【金融庁】から業務停止命令の行政処分を受けたのをきっかけに、アイフルと提携して個人向けローン販売を行ってきた地方銀行の間に、アイフルとの関係を見直す動きが広まっている。今件は【アイフル(8515)、金融機関との提携相次いで自粛され、さらなる「どうする、アイフル」状態へ】でも報じたが、行政処分が具体的に施行される期間に突入したことで動きがさらに加速している。

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記事によればアイフルは銀行をはじめ82の金融機関と提携し、金融機関側は個人・企業向けのローンを販売している。だが今回の処分をきっかけに札幌銀行や【福島銀行(8562)】、北陸銀行、紀陽銀行などは、アイフルと提携したローンの新規の受け付けを中止。また提携先のすべての金融機関が、今回の問題を受けて店頭からポスターなどを撤去したという(先の記事では1金融機関が現状維持だったので「事態は進展」したことになる)。

消費者金融との提携・ローン販売は高収益が見込まれることから、大手銀行などが注目し提携を強化している。例えば、【三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)】が[アコム(8572)]と、【三井住友フィナンシャルグループ(8316)】が[プロミス(8574)]と、それぞれ資本提携し、カードローンなどの業務をしている。だが今件で社会的体裁などの面を配慮し、自粛ムードが進んでいる。

とはいえ、あくまでも「自粛」であり、提携の解除およびその模索の声はまったく聞かれない。これは「ほとぼりが醒めるまで大人しくして、時期がたったらまたやろう。こんな美味しい事業、止めるわけにはいかないよ:P」という考えを持っていると疑われても仕方が無い。元記事で「多くの銀行が、企業向けの貸し出しが伸び悩む」と指摘しているが、実情としてはあれこれと厳しい条件をつけて事実上貸し渋りを繰り返して「お金を借りてくれないのよ、どうしたもんでしょう」と困ったような顔をしている実情を示している。

その一方、【消費者金融大手5社がテレビCMの自粛時間を延長】でも報じたが、与謝野金融担当相が「かつて超一流と思っていた大手銀行が消費者金融と一緒に広告を出しているのも最近不愉快なことの一つ」と指摘したように、消費者金融と一緒に高利貸しに手を染めているのと同意と見られても仕方の無い状況が現状である。

ビジネスなのだから割りきりが必要だという意見もあり、それが正しいのは事実。ただ、金銭的な判断だけではビジネスが長続きしないのも事実。バブル崩壊後人件費などのコスト問題で豊富な技術を持つ中小企業や技術者を切り捨て、今になってその損失に頭を抱えている現状と同じように、中長期的なセンス・戦略で物事を考えないと、世の中うまく回らない。そのことをあらためて考え直す時期に来たのではないだろうか。

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