古書店もネットの時代へ、神保町にもネット古書店勢力拡大

2006年05月08日 06:10

時節イメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると日本一の古書店街として知られている東京・神田神保町に、インターネット上で営業する古書店、いわゆる「ネット古書店」の勢力拡大がいちじるしいという。各地では一般店舗の古書店が後継者不足などで減少する一方、神田神保町ではネット古書店の影響もあって業者数が増加、過去最高数を記録しているとのこと。

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記事の指摘にもあるが、古書検索サイト【スーパー源氏】の調査によると10年前には皆無だったネット古書店は、今では加盟店170店舗のうち4割にも及ぶという。利用者側の立場で考えた場合自宅で即探したい本を検索できるメリットがあるだけでなく、業者側も実店舗を必要しないので小資金で開業できるなどの利点があるのが増加の理由らしい。

東京都の古書店で構成されている組合【東京都古書籍商業協同組合】も、情勢の変化に対応すべく、今年から加盟条件の中の「店舗開設」という項目を外してネット古書店も参加できるようにした。これまでは実店舗か、それに類する事務所が必要だったという。【日本の古本屋】(日本最大級の古書検索サイト)を運営しているのにネット古書店は参加できないという、半ば矛盾した状況も改善され、最近では加盟申請の半分がネット古書店とのこと。

地価高騰や実店舗での古書を含めた書籍のニーズの減少、後継者問題などから特に東京都内では減少傾向にある古書店だが、東京都古書籍商業協同組合神田支部では増加傾向にある。組合側では仕入れ環境のよさと「古本なら神保町」というブランドに引き寄せられて加盟する店が多いのではと分析している。

実店舗の本屋、古書店での買い物はそれ独特のメリットや楽しさがある。本独特の香りを楽しむというマニアな楽しみ方は別としても、ずらりと並んだ本をながめたりするだけでも楽しいし、書籍の山を眺めているうちに新たな発想が頭に浮かんだり、衝動買いの神様が光臨したりするものだ(笑)。とはいえ、アマゾンしかり、楽天ブックスしかり、ある特定の書籍、あるいは特定案件に関連する書物を探して入手したい場合は、ネット本屋で探して購入した方が便利なのも事実(わざわざ大量の「本の森」からお目当ての本を探す手間が最小限で済む)。古書ならなおさら。

後継者問題や地価問題など、経済的・人的問題はもちろんだが、ネット古書の普及はある意味時代の流れにそったものといえるだろう。

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