日本証券業協会、上場審査を厳格化へ

2006年05月07日 12:30

株式イメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると、【日本証券業協会】は証券会社が企業の株式市場支援をする際の審査手続の指針改正に乗り出したという。新興企業向け市場の上場企業で不祥事が(今現在も)相次いでいるため。現行の指針は【東京証券取引所】マザーズなど上場基準が緩やかな市場ができる前に策定されたもので、実態に合わなくなっていると判断した。

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記事によれば日本証券業協会では証券会社の審査担当者や監査法人実務担当者などからなるワーキンググループを設置して改定を検討。同時に企業の指導や監視ができる体制も整えるという。

現在企業が上場する際には「(幹事となる)証券会社の審査」「各証券取引所の審査」の2プロセスが必要となる。証券取引所の審査は主に企業の将来性や株主への利益還元への評価などが行われるものの、内容的に独自審査が難しい。よってその前の段階の証券会社での審査には、厳粛な対応が求められている。だが証券会社にしてみても「審査を受けて上場できれば、幹事会社として収益をあげられるのでついつい審査が甘くなる」という問題点が指摘されている。「ある証券会社が審査を厳しくしたところ、審査が甘いと噂されている他証券会社に乗り換えて上場した」という上場会社もあるという。

昨今、事業見通しの甘さや会計体制のずさんさなどから上場直後に赤字転落を発表したり、まるで「上場して株式売りぬけだけのために上場し株主を軽視する」としか見受けられないような上場直後の大口株主の動向を許しているような状況など、「なぜこのような企業が上場できたのか」と上場審査体制そのものを疑う声すらあがっている。これらの状況から、日本証券業協会でも、証券会社の審査基準の厳格化も避けられないと判断した。

特にここ数年は、世間一般も含めてIPOブームだの新興市場ブームだので、まさに「のせられた」「波にのった」形で、冷静に考え直せば「どうしてこのような体制の企業が上場できたのか」と首をかしげるような企業の上場、そして化けの皮がはがれてか株価の急落・下方修正というパターンが相次いでいる。今回の管理側の動きは「遅きに逸した」という気がしないでもないが、腰を上げただけでも評価はできる。既存の「該当しうる企業」への無言のプレッシャーにもなるからだ。

投資家の立場としては、ワーキンググループの動きに注目すると共に、新興市場へ投資する場合には「鋭い選択眼」を持ち、本当に「投資に値する銘柄の選択」を行うことがこれまで以上に必要になる、ということだろう。

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