サインポスト、糖尿病患者の合併症の危険性を予測するシステムを開発

2006年05月05日 19:00

時節イメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると大阪府のバイオベンチャー会社【サインポスト】は、糖尿病患者の遺伝子情報などを解析した結果などから、将来その患者にどのような合併症が起きるかについて可能性の高さを予測するシステムを開発した。6月下旬から販売を開始する予定だが、すでに複数の医療機関が導入の予定だという。

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糖尿病患者は日本国内だけでも約740万人、潜在患者・予備軍も含めると1620万人以上にも及ぶといわれている。まずは食生活・運動などで生活習慣を正し、糖尿病にならないようにすることが大事だが、もし発症した場合は合併症を起こさないように注意しなければならない。特に大きな合併症といわれているのが、神経障害と腎症、網膜症。

サインポストでは、【東洋紡(3101)】と共同で遺伝子検査をする器具「DNA(デオキシリボ核酸)チップ」を開発。これに患者から採取した血液をつけると、遺伝子の特徴から特に注意すべき合併症のうち腎症、網膜症、さらに動脈硬化や心筋梗塞がおきやすい体質かどうかが分かるという。

例えば腎症の場合、これの発症は高血圧と関係が深い。仮に遺伝子情報から「腎症を起こしやすい」と判断した場合、その患者は高血圧に要注意という判断を下せる。もしすでに「高血圧を併発している場合」はそれがきっかけで腎症になりやすいとして、血圧管理に厳重対処を施すきっかけとなる。

患者の利用料は初回検査を3万円前後とする方向で調整中とのこと。

詳細がサインポストの公式サイトに記載されていないので断言はできないが、遺伝子パターンのうち「腎症・網膜症・動脈硬化・心筋梗塞」について起きやすいものを見つけ出し、そのパターンに該当するかどうかを判断する仕組みであると思われる。人の遺伝子は原則として変わるところがない。つまり一度検査してしまえばその人特有の一生涯における傾向が分かることになる。すなわちこの検査は糖尿病患者やその予備軍に限らず、他の病症にある人や健常人にも有効なのではないだろうか。だとすればある意味素晴らしく、ある意味怖い内容ともいえる。

素人考えという前提だが、当方(不破)も参加している【オーダーメイド医療現実化プロジェクト】が進展することにより、多くの「各病気に関して発症可能性の高い遺伝子パターン」を特定できれば、今回のようなシステムを作り出すことで、さまざまな病症にかかり易いかどうかを幼いときから判断できることになる。もちろんその情報を元に生活習慣をあらためることで、それらの病症の発病確率を抑えることができるだろう。

これまで「親族に●×にかかる人が多かったから」「親が○×だったから」自分も同様の病症にさいなまれる可能性があるという程度でしか予想できなかった「発症可能性大の病症」を、具体的に検査によって判断できる。医学の進歩、ここに極まれり、というところだろう。

もちろん確率論の問題であるのと同時に、検査結果云々以前に健康的な生活習慣を心がけていれば、それにこしたことはないのだが。

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