日本証券業協会、各証券会社のシステム整備状況を定期監査へ

2006年05月03日 20:45

[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]が報じたところによると【日本証券業協会】は、インターネット経由などによる投資熱に伴い証券会社側の責によるトラブル増加の状況を重く見て、業界全体としての信頼性確保を図るため、証券会社各社のシステム整備が適切に行われているかを定期的に監査する方針を固めたという。

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記事によれば現在個人の株式取引の8割までがインターネット経由によるものだが、ネット取引の普及に伴い注文の遅延やシステムダウンによる注文そのものが出来なくなるなど、証券業界そのものの信頼性を損なうトラブルも多発している。そのため日本証券業協会側ではシステム整備が適切になされているかのチェックをそれぞれの会社自身に任せるのではなく、協会側が定期的な監査を実施することにした。

具体的には法令順守体制の監査を担当していた部署の要員を増やして、290あまりの証券会社すべてに対して、定期的にシステムを監査して脳力の整備状況をチェックすることにするという。

元記事や日本証券業協会のサイトを読み直す限りでは今件は正式発表ではないようだ。「290も証券会社が日本にはあったのか」「日本証券業協会ってすべての証券会社や登録金融機関が構成員として組織されている法人なのか」とあらためて認識させられる話ではあったが、疑問点もないわけではない。

協会の目的には「取引の公正円滑化と投資家の保護」が書かれている。そして今回「個別会社自身に任せず、定期的な監査を協会側が実施する」ことを決めた、とある。つまりこれまでは(法令順守をしているかどうかの監査はしていたが)システム整備の適正化についてはこれまで協会側はいっさい自発的なチェックをしていなかったことになる。各証券会社からの報告を受け取っていただけなのだろう。一応主な業務にはさまざまな業務内容が書かれているが、システム整備問題やトラブル続きに対処するための内容はいくつも当てはまる要項があるにも関わらず、今の今まで事実上何もしていないに等しい状態だったことになる。

数年前から、特にネット専業証券会社における注文遅延やシステムダウンの問題が相次いでいたのに、この協会は何をやっていたのだろうか。単なる寄り合い所帯か圧力団体でしかないのか、そう問われても仕方がない。

今後実際に協会側が各証券会社に監査を行う、とのことだが、「定期的に」では事前に対処されるだろうからあまり意味はない。不定期に・抜き打ち的に監査を行うと共に、監査結果で問題ありとされた証券会社に対しては、内容と社名を公表するなどの措置は必要のはず。それと同時に、明らかに問題ありとするトラブルを多発するような証券会社に対しては、ペナルティも課すべきかもしれない。もっとも監督官庁などがすでに行っているので必要ないのかもしれないが。

業界内の馴れ合い的協会が事実上何の効力も発揮せず、他方面からの圧力で慌てて体制を強化しようとする。当サイトでも何度か取り上げている「アミューズメント系業界のある特定ジャンル」でも似たような構造があったような気がして、デジャヴを感じているのは当方だけだろうか。

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