地味で身近で実はスゴい「ひじき」の話

2006年05月03日 18:00

ひじきイメージ先日玄米や麦飯の話をコラムとしてまとめたが、その時に頭によぎったのが『ひじき』の話。もやしや玄米同様、「ひじき」も入院を経て変わった当方の食生活の中で「好きパラメータ」がかなり割り振られるようになった食べ物の一つ。オーバーな話かもしれないが、「経験が人間を変える」とはよくぞ言ったものだ。

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退院して栄養制限のために食生活を大幅に変えねばならなくなった際、悩んだことの一つに「カルシウム」の補充があった。ただでさえ服用しているステロイド系の薬が体内のカルシウム吸収を妨げる働きを持つため、健常人以上にカルシウムを採らねばならないというのに、当方は魚介類が大の苦手だったのだ。かろうじて食べられるであろう「シラス」や「焼シャケ」にしても、塩分が多いため対象外。

魚介類以外でカルシウム豊富な食品の代表として上げられる「牛乳」も、かつては大好きで毎日1リットル飲んでも平気だったが、病気の過程で体質が変化してしまったらしく、ちょっと口にするだけで腹が下るようになってしまった。ホットミルクにすればなんとかイケることが後になって分かったが、毎日飲むほどではない。

ひじき採取イメージ>「どうすればいいのか」と『五訂増補食品成分表』を色々探して見たところ、「簡単に手に入って食しやすい」「食に彩りをそえる、ちょっとした一品」として最適なものとして「ひじき」を見つけることができた。実は「ひじき」は入院前はどちらかというと嫌いなものの一つで、「食べる必要が無ければ別に無くてもいいや」という程度のものだった。だが病院食で何度と無く出てくるうちに食べ慣れ、そしていつのまにか好きになっていた。

当方が今食している「ひじき」は、総菜屋などで販売している調理済みの惣菜パック。大豆やコンニャク、人参や油揚げが入っている、ごくありふれたタイプのものだ。同じひじきでも販売されているお店によって微妙に味付けや一緒に含まれているものが違い、それぞれの味わいを楽しむことができる。もっとも場所によっては塩分が濃いものもあり、それは避けるようになった。

調理済みのひじきは冷蔵庫に保管しても、あまり日持ちがしないのが欠点。数日経つと変色し、もう食べられない状態になってしまう。行きつけのお店には時間の都合から週末にしか顔を出せないので、毎日食卓に並べるわけにもいかず、少々残念な状態が続いている。自分にもう少し甲斐性があれば、乾燥ひじきをまとめて買って、逐次調理することでそれこそ「毎日がひじきデー」とすることも可能なのだが、今のところそれは適わない。

「ひじき」を検索エンジンであらためて調べてみると、あるわあるわ鼻血が出るほど専門サイトや検証サイト、レシピ集などが存在している。「ひじきづくし」というコピーの【ひじき講座】や、「日本に古くから健康食として親しまれてきた食品である“ひじき”を国民的な健康食としてもっと情報を発信し日本人の健康増進に貢献を目的として発足」した【日本ひじき協議会】なるものまで見つけることができた。正直、腰を抜かした。

後者の「日本ひじき協議会」のサイトによれば、遺跡発掘物の調査により、ひじきは縄文時代から食され、鎌倉時代前後までは高級食材として、戦国時代からは一般庶民にも普及するようになったという。また、気になる栄養分としては、ミネラルが豊富なのはよく知られているが、その中でも特にカルシウムや鉄分、そして食物繊維が多いという。当方があまり摂取できないカリウムも多いとされているが、カリウムは同時に水に溶けやすい性質ももっているので、当方としては水につける機会を多くすることで対処すればいいのかと考えている。

また【日本ひじき協議会のレシピページ】を見ていると、「何も惣菜で売っている煮つけにこだわらなくとも、ひじきご飯とかで食するようにすれば、乾燥ひじきを常駐しても問題ないじゃないか」と思ったりする。

もちろん『数多く市販されているひじき関係のサプリ』などを用いる手もあるが、元々「食生活に彩りを」という目的があるので本末転倒(カルシウムを補充したいだけならカルシウム剤を採ればいい)。

乾燥ひじきは比較的安いし簡単に手に入る。あらためて調べてみて、これほど素晴らしい食材だとは思わなかった。産地に気をつける必要はあるだろうが、これからは今まで以上に食べたいと考えている。

Copyright (c) 2005 日本ひじき協議会. All rights reserved.


(最終更新:2013/09/18)

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