村上ファンド、阪神(9043)株式保有目的変更として金融庁の聴取ありとする指摘報道

2006年05月09日 19:30

株式イメージ『村上ファンド(www.maconsulting.co.jp)』が【阪神電鉄(9043)】株式の買占めを行い、事実上過半数の役員派遣を提案した問題(【村上ファンド、阪神電鉄(9043)に対し身内など過半数9人の取締役就任を要求】)で、【金融庁】などが株式所有の狙いを明らかにするため聴取を実施する可能性が出てきたことを【ZAKZAK】が伝えた。村上ファンド側は相変わらず「純投資」を主張しているが、過半数の役員派遣とそれによる阪神そのものの経営に関与することを示唆する提案を行ったため、株式所有目的が「経営参加」「支配権の取得」に変わった可能性が出ているためとしている。証券取引法では大量保有の目的が変わった場合、一定期間内に届出をする必要があると明記されている。

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関東財務局に提出されている大量保有報告書では、村上ファンドの持株について所有目的はいまだに「純投資」のまま。しかし上記にあげた株主提案では過半数(半数も含む)の身内役員を派遣することが記載されており、現在の村上ファンドの保有する株式数(45.73%)のままでは6月29日に開催予定の阪神の定時株主総会でこの提案が可決し、経営権の実質的支配が見込まれる。この場合、株式の保有目的が「経営参加」「支配権の取得」であると見なされる可能性が高い。

元記事の指摘では大量保有報告書の記載事項に変更がある場合には5営業日内に変更報告書を財務局に提出しなければならないが、5月2日を開封期日とした株主提案後も、保有目的は「純投資」のままである。もし金融庁など金融当局が「保有目的が変更されている」と認定した場合、変更報告書の提出義務が生じ、これに従わない場合には3年以下の懲役または・及び300万円以下の罰金が科せられる。

現在、村上ファンド側と、阪神・【阪急ホールディングス(9042)】との間に提案事項や株式の買い取りの件で交渉が続けられている。だが、価格面の問題で両者間のへだたりは大きく、折り合いが付く可能性は高くない。交渉が決裂し、株主総会で村上ファンド側の株主提案が実際に議題として呈上された場合、金融当局は保有目的に対する問いただしを行う意向だという。

実際問いあわせ・事情聴取があったとしても村上ファンド側としては清々粛々と変更報告書を提出すればいいだけの話だし、万一刑罰が科せられてもせいぜいスズメの涙ほどの罰金で収まるだろう。だが、「経営参加」「支配権の取得」に変更した場合には今後村上ファンド側の投資対象からの警戒は(たとえ「純投資」として報告されていたとしても)極めて強いものになるし、刑罰が科せられようものならさまざまな大義名分を相手側に与えてしまう。

両者が納得する形で交渉がまとまればそれが一番なのだが、果たしてそのように事が進むだろうか。時間はあまり残されていない。

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