阪急(9042)、阪神(9043)の公開買付け発表、買取価格は930円。最終的に阪神を完全子会社化へ

2006年05月29日 12:30

株式イメージ【阪急ホールディングス(9042)】【阪神電鉄(9043)】は5月29日、かねてから交渉を続けていた両社の経営統合について合意に至り、本日の取締役会の決議を経て、阪急の阪神株式の公開買付け(TOB)の成立を条件に、阪神を株式交換による完全子会社化することを明らかにした(【発表リリース、PDF】)。公開買付け価格は930円。

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阪急による阪神株式の公開買付けは5月30日から6月19日までの21日間、買取価格は930円/株。買付け予定株式は1億8974万3590株(約45%)だがそれ以上の応募があれば全部を買いつける予定。

なお、阪神株式を大量買付けして阪急と折衝を続けていた村上世彰氏が率いる投資ファンド「村上ファンド」(『村上ファンド(www.maconsulting.co.jp)』など)についてだが、リリース中に

同時に、阪急ホールディングスは、本日開催の取締役会において、阪神電気鉄道の特定の大株主にご賛同いただき、一定の資本関係を構築し、阪神電気鉄道との経営統合を円滑に実現するために本公開買付けを実施することを決議し、


とあるので、公開買付けに同意したものと思われる。

公開買付けが終了したあとは、株主総会で承認を経た後、10月1日付けで阪急が親会社・阪神が子会社となる形で株式交換を行い、商号や役員などの変更を行う。株式の交換比率は1対1.4。阪神電気鉄道の普通株式1株に対して、阪急ホールディングスの普通株式1.4 株を割当交付する(公開買付けにより阪急が買付けた阪神電気鉄道の普通株式には割当交付しない)。

阪神の完全子会社化後、社名は「阪急阪神ホールディングス株式会社」(阪急神にあらず)に変更されるが、「阪神電気鉄道」の商号については変更しないという。

今件で村上ファンドが所有株式をTOBに賛同する形で売却すれば、先に【村上ファンド、阪神電鉄(9043)に対し身内など過半数9人の取締役就任を要求】でも報じた「役員派遣」の株主提案も取り下げることになるだろう。

一時は「ホールディングス」形式の経営統合(管理会社を作りその下に阪神・阪急両社をぶら下げる形にする)がなされるとの話もあったが、今回の発表により阪神が完全子会社化(当然上場は廃止)する形での経営統合が成されることになった。阪神電気鉄道の商号は変わらないので当然球団名などもそのまま残ることになる。とはいえ、阪急に半ば吸収される形となる今回の経営統合は、色々複雑な心境を持つ人も少なからずいるのではないかと思われる。

なお両社の株価はTOB価格にさや寄せする形で上下している。特に阪急側の急騰が目立っている。

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