マーベラス(7844)、社長が社員へ自社株式を無償譲渡

2006年05月30日 07:00

株式イメージ【日経新聞】が5月29日に報じたところによると、【マーベラスエンターテイメント(7844)】の中山晴喜社長が、自分の所有するマーベラス株式から全社員に、自社株式を1株ずつ無償譲渡することが明らかになった。関連会社を含めた全社員110人が対象。マーベラスの株価は5月29日の終値が9万5100円のため、この額相当の臨時ボーナスを全社員が手に入れたことになる。

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四季報によれば中山社長個人は8584株のマーベラス株式を保有している。単純計算で保有株式数は8474株に減ることになるが、影響力についてはほとんど変化がないものと思われる(筆頭株主は「アミューズキャピタルインベストメント」の9200株だが、こちらも中山社長が会長・社長を勤めている)。

今回のような無償譲渡は過去に他社でも「従業員の会社への業績に対する意識向上」「モチベーションのアップ」などの効果を期待するため行われている。だがこのような目的を果たすためには普通の場合、特定価格で自社株式を購入(し高い株価で売却益を得られる)する権利であるストックオプションを与える場合が多い。ストックオプションを与えれば、従業員はより多くの利益を得ようとするため、会社の株価を上げるべく努力をするわけだ。この際購入する株式は新株の場合や会社の保有する自己株式(金庫株)となる。

だが今回の場合は社長が自分の株式を提供することで、既存株式の希薄化を避け、あるいは会社の財務体質に影響を与えることなく同様の効果が得られることを狙っているようだ。まさに言葉どおり、中山社長にとっては「自腹を切って」士気高揚のためのボーナスを社員に与えたことになる。

果たして中山社長の英断がどのような成果をもたらすのか。それは時間をかけてみてみないと分からないだろう。また、社員らが株式を売却しない限り、社員らは皆自社の株主総会に株主として出席する権利を権利を持つ。これはこれで会社にとっては色々な面でプラスになるに違いない。

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