【更新】大塚製薬の未公開株式詐欺で4人逮捕、被害総額は18億円以上とも

2006年05月04日 07:20

[YOMIURI ONLINE]が報じたところによると、大手製薬会社の【大塚製薬】の上場が近々行われるなどとウソの話を持ちかけ、個人投資家からお金をだましとっていたとして、千葉県警は5月3日、「SMC投資クラブ」の実質的経営者山田晴久容疑者(42)ら4人を詐欺の疑いで逮捕した。20社以上の未公開株話が用いられ、被害は1000人、18億円以上にのぼると見られている。

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記事によれば山田容疑者以外に逮捕されたのは同社役員船橋博(42)、同渡辺清喜(61)、無職植田理咲(39)の計3人。調べによると山田容疑者らは2005年の1月ごろ千葉県松戸市の女性(65)に、実際には上場予定のない大塚製薬について、「近いうちに間違いなく上場する。持っていれば3倍から5倍に値上がりする」などと言い、未公開株(額面500円)5株分の購入契約を取り付け、100万円をだまし取った疑い。県警は大塚製薬だけでも60人以上、1500株あまり、総額3億円以上の未公開株が不当に売却されたと見ている。なお容疑について渡辺容疑者以外は「だますつもりはなかった」とし否認している。

未公開株がらみのこういった話の場合たいてい実物が渡されることはないのだが、今件ではホンモノの株券が被害者の一部に売却されている。大塚製薬は上場しておらず「どうやって未公開株式を手に入れたのか」が気になるところだが、恐らく「縁故株」(会社の身内が何らかの理由で手放した株式)だと思われ。

なおSMC投資クラブは一部報道にもあるようにH&Sホールディングスの旧社名であり、HICはその系列の投資顧問会社。事実上すべて同じ実態と考えて良い。逮捕された主犯格の山田氏はこのような話では「有名人」らしく、未公開株がらみの話では昨年から噂になっていた。同社が行っていたと思われる「未公開株式売却話」については今回の大塚製薬以外にも【アース製薬】などの話も「20社」に含まれるようだ。

また、一昨年の11月の段階で【三菱東京UFJ銀行(8306)】は「(SMC投資クラブが)会社案内のなかで取引企業として当行を掲げておりますが、当行をはじめとする三菱UFJフィナンシャル・グループおよび三菱グループに属する会社とは何ら関係ございませんので、ご注意いただきますようお願い申し上げます」と勧告しており、彼らがこの時点ですでに相当数の「未公開株式売却話」を行っていたことがうかがえる。

ちなみに被害者の一部に渡った「ホンモノの」大塚製薬の未公開株式だが、[当社株式に関するお知らせ]にもあるように同社では2005年6月28日の段階で株券そのものを廃止しているため、現在実物で存在する大塚製薬の株券は単なる「紙ペラ」に過ぎない。また今件のような「未公開株式売却話」についても

当社は、定款で株式に「譲渡制限」を付しており、取締役会の承認を得ない限り名義書換を行うことはできません。
  >>現在、株主様の親族以外の第三者に対する譲渡につきましては原則として認めない取り扱いとしております。
当社は、株式の売買につきまして外部の法人もしくは個人に委託など一切しておりません。
当社が近々上場する予定であるといった内容にて勧誘している例が見受けられますが、当社は上場に関しての具体的な予定は決まっておりません。
法外に高額と思われる売買価格を提示している例も見受けられます。


として注意を促がしている。

基本的に「未公開株式をあなただけに」という話は信じないのが正解なようだ。

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