環境省、自動車の排ガスと幼児の気管支ぜんそくとの関係を調査する10万人調査「そら(SORA)プロジェクト」開始

2006年05月30日 07:00

時節・交通渋滞イメージ【環境省】は5月29日、自動車の排ガスが幼児の気管支ぜんそく発症に与える影響を分析評価するため、都市部に住む幼児約10万人を対象にした追跡調査を7月から始めると発表した(【発表ページ】)。プロジェクト名は「そら(SORA)」。「Study On Sespiratory disease and Automobile exhaust(自動車排出ガスと呼吸器疾患との関連についての研究調査)」からきている。2010年度に分析結果をまとめる予定。

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調査は関東、中京、関西各圏の合計9つの都市地域で実施する。まず1歳6か月児健診時に約10万人を対象に呼吸器症状の有無などを調べ、さらにこの10万人が1年半後に3歳児健診を受ける時に再調査する計画。この中から、両健診の間にぜんそくを発症した幼児と、発症しなかった幼児を合計約400人抽出し、生活状況などを比較対照して自動車排ガスとの関係を調べる。

SORAプロジェクトではすでに昨年から追跡調査を実施しており、今年からは大規模なものとして開始される。また、調査地域は自動車排出ガスによる影響が大きいと思われる、国道や高速道路など主要幹線道路の周辺地域から選ばれている。

今回のように、症状例や対象を設定して、それぞれの状況下での環境や結果を比較して、環境と病状の発生関係を明らかにする疫学調査を「症例対照調査」(ケースコントロールスタディ)というが、自動車の排気ガスと気管支ぜんそくとの関係で、これほどまでに大規模な症例対照調査が行われたのは過去に聞いたことがない。

とはいえ、自動車の排気ガスによる環境の悪化や周辺地域でのぜんそくの症状発生の増加は、工場の排気ガスと同様にそれこそ前世紀後半・終戦後の高度成長期から懸念されてきたことであり、「何を今更」という気もする。特に幼少時、大気汚染によって小児ぜんそくで苦しんだ経験のある当方(不破)にしてみればその思いが強い。

仮に調査結果で明らかな関連性がケースコントロールスタディの結果として出た場合、そのデータを元にさらなる排気ガス規制や対環境規則を推し進めるのだろうか。環境省には今調査の結果もあわせ、期待したいところだ。

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