三菱UFJ(8306)と三井トラスト(8309)、公的資金の一部を市場への売却で返済へ

2006年04月02日 12:30

株式イメージ【三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)】【三井トラスト・ホールディングス(8309)】はそれぞれ3月31日、優先株式の発行で受けていた公的資金の一部を普通株式に転換し、一般市場へ売却することにより返済すると発表した(【三菱UFJ発表リリース、PDF】【三井トラスト発表リリース、PDF】)。両社ともすでに関係当局に報告を行ったとしている。

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三菱UFJでは5040億円の公的資金のうちどの程度を市場売却で返済するのかはまだ明らかにしていない。方法としては

・普通株式に転換し一般市場に売却
・優先株式のまま三菱UFJが取得
・普通株式に転換し一般市場に売却するが同時に同数を三菱UFJが自己株式として取得する


3つのパターンについて検討し、複数手法を採用して実行する予定。

三井トラストでは第一種優先株式の320億円分を普通株式に転換して一般市場に売却することで事実上返済する。これにより公的資金残高は4323億円となる。

今回の決定により、それぞれは自己資金の負担をすることなく公的資金を返済できることになるが、同時に発行済み株式数が増加することで一株あたりの価値(利益や株式資本)が減り、俗に言う「株の希薄化」を招くことになる。当然、売却による直接の売り圧力と共に株価下落の要因になる。

簡単に説明すると「国からの借金の担保として差し出していた優先株式を、一般株式に転換して売ってもいいよ(そうすればその担保と引き換えに借りていた公的資金を返さなくてもよくなる)」ということ。直接的な資金負担が軽くなるのは良いことだろうが、既存株主にとってはとんだとばっちりを受けることにもなりかねない。少なくとも、大量の売り注文が入ることは確実であり、心境的な面もあわせると今後の株価の動向が気になるところだ。

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