SBI(8473)、美術品で画家から著作権侵害指摘

2006年04月22日 07:30

【ZAKZAK】などが報じたところによると、【SBI(8473)】の子会社の一つ【SBIアートフォリオ】が運営する美術品オークションコーナーにおいて、掲載を了承していない画家から著作権侵害を指摘されているという。

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同社は美術品を趣味趣向の物品としてだけでなく資産形成の一つとして位置づけ、SBIグループの各種金融サービスと融合させることで、「美術品(アート)を資産形成(ポートフォリオ)に組み入れた全く新しい美術品金融業務」を行うとしている。具体的には美術品を担保にした融資や美術品の販売、販売仲介など。美術品オークションの運営もその業務の一つ。

記事の指摘によれば、同社の【販売ページ】において、出展されている美術品が「引用」として拡大も可能な形で掲載されているが、この画像が著作権侵害に相当するという。そしてSBI側が「画家の知名度アップにつながるからクレームは来ない」「販売のためで鑑賞のためではない。短期間で作品は入れ替わるので鑑賞にならない」と認識を示すのに対し、複数の弁護士らは

著作権法に詳しい河原崎弘弁護士によると、これまでの判例でも、入場券の割引券や案内の小冊子に引用された絵画が著作権法違反と指摘されたケースもあったといい、「鑑賞できるほどに拡大できる画像は違法の可能性が高い」と指摘する。

別の弁護士(34)も「どんな作品かを示すために拡大するというのなら、よくお札や切手などであるように『サンプル』と画像にかぶせるなどすべきでは」と話す。


との見解を示している。著作権絡みの話は基本的に親告罪であることから本来の権利の所有者が親告するかどうかなのだが、「知名度上がるからいいだろう」と開き直る態度が本当のものであるのなら、問題視されても仕方ない。

なおSBI側では元記事掲載同日に今件について【声明を発表しており】、「法律事務所から適法な引用として著作権侵害が成立しないと判断されるという見解を得ている」としている。

同社サイト内のオンラインショップは2005年9月に開設されているが、半年強で「評判が悪い」と評されるということは、開設当初から業界内では問題視されていたことがうかがえる。オークションページでは「作品の掲載中止を希望される著作権者の方は、下記へご連絡ください。」の一文が付け加えられたが、各作品がクリックすることでかなりの大きさで表示されるスタイルに変わりはない。

よく目にするので知っている人も多いだろうが、(上記で弁護士が指摘しているように)切手や紙幣など、プリントされて悪用される可能性がある有価証券には、雑誌やサイト上で掲載する場合、「みほん」のロゴを入れたり、隅に斜め線を入れてそのような行為が行われないよう防止策を施している。仮にも美術品を「資産形成の一つ」として有価証券と同等に取扱うのなら、サイト上での掲載にも同じような気配りが必要なのではないだろうか。少なくとも「展示」している美術品の作者からクレームが来ているのなら……。

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