【更新】「ジェイコム誤発注問題」の責任のたらい回しが始まった

2006年04月13日 07:10

株式イメージ[YOMIURI ONLINE]に、昨年証券関連ニュースのトップ3に入るであろう【ジェイコム(2462)】誤発注問題について、根本的な責任の所在に関する「たらい回し」「なすり合い」が始まったとの指摘記事が掲載された。展開次第では(というより当然至極だが)システムを設計した【富士通(6702)】にも責任が及ぶ可能性もある、と指摘されている。

スポンサードリンク

今事件は2005年12月に、新規公開されたジェイコム株式の売買注文について【みずほ証券(8411)】の担当者が「1株61万円」とすべきところを「1円61万株」と誤入力してしまったところにはじまる。

誤発注に気が付いて取り消し注文を出したがシステム側の設定・設計ミスでそれが受け入れられず、みずほ側の損害はぼう大なものとなった。誤発注をした側と訂正を受け付けないシステム提供側のどちらにどれだけの責任があるのか、その責任比率について先月ようやく事務レベルでの折衝が行われたという。当事者両社とも外野の声が沈静化するのを待っているのか「結論を出していくための努力をしよう」とのん気な態度を決めているが、当然への批難は高まるばかり。特に、後場になっても注文を受け付け続けていた東証側のルーズさに対する声は大きい。

また、システム設計を担当した富士通と東証との関係がはっきりしていないのも「外野」の声を大きく、そしてさまざまな噂を呼び込む原因となっている。つまり、今回のシステムミスは「仕様を定めなかった東証側の責」なのか「仕様通りに作らなかった富士通側の責なのか」ということ。

下手をすると「東証が悪い」「みずほ証券が悪い」「富士通が悪い」「なんだ、みんなそれなりに責任があるだけでどこが一番悪いというわけではないのか」「じゃあそこそこのペナルティで済ませましょうよ、それが『みんな』のためでしょうな。はははは」という形で話が進み、問題解決はほとんどなされない可能性すらある。責任の分散とたらい回し、そしてうやむや化。まさに日本風。

もちろん「再発防止策」は(正しいものかどうかは別として)それなりに打ち出されている。その一方、時が経ち、世間の批難が収まるのを待っておざなりな結論で事を責任問題を済ませようとする雰囲気がありありと見て取れる今回の「誤発注事件」。しかるべきボリュームの責任が問われなければ、当事者も市場も業界も良くない意味で「経験」「学習」してしまい、似たようなことが繰り返されてしまうのではないかという懸念は否定できまい。

東証、みずほ証券、そして富士通などそれぞれの関係者の責任を誰が見ても分かる形で結論付け、その上で再発防止効果が生じるだけの責を負わせるべきだろう。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ