【更新】健康食品は医薬品にあらず。催眠商法での購入者が健康食品会社を提訴

2006年04月09日 18:30

[YOMIURI ONLINE]によると、健康食品を医薬品と偽って無許可販売して薬事法違反で有罪となった健康食品販売会社「ハートライフ」などを相手取り「健康食品なのに医薬品といわれて買ってしまった」とし14人が代金返還などを求め、約1300万円の損害賠償請求を4月10日にも起こすという。

スポンサードリンク

原告はハートライフから商品を買わされた人の他、同様の営業手法ですでに有罪判決を受けている健康食品販売会社「セレブ」から買わされた人など。さらに製造会社である「エヌアイテイ」も提訴対象とする予定という。

記事によればハートライフは2004年11月、静岡県内に店舗を設けて「100円で米や洗剤などを販売する」として高齢者を勧誘して商品説明会を開き、エヌアイテイが製造した健康食品を医薬品として販売し買わせるという「催眠商法(SF商法)」を展開した。

なおこの「ハートライフ」の罪状は具体的には組織的犯罪処罰法違反(不法収益による事業経営の支配)と、薬事法違反。健康食品の「イチョウ葉エキスゴールド」や「健長寿」を医薬品と偽って販売したというもの。

ここに出てくる「催眠商法(SF商法)」とは

・激安あるいは無料で雑貨や食料品を配るとして狭い会場にお客を集める
 (特に高齢者が集まるように日中に)
・お客に安い商品の話をしてその後で販売し興奮度を高める
・買わねば、もらわねば損という催眠状態を作り、お客から冷静な判断力を失わせる
・その上でセールストーク巧みに高額商品を売りつける
 (今回のケースのような違法販売もある)


というもの。古くは第二次大戦におけるドイツのゲッペルスがヒトラー政権の維持に用いた、集団心理コントロール手法を巧みに用いたもの。まるで催眠術にかけられたかのような状態に客を陥らせた上で高値売りつけをするのでこの名前が付けられた。ちなみに「SF商法」の方の由来は、最初に行った業者が「新製品普及会」だったためのその頭文字をとったもの。

催眠商法には1週間程度しか同じ場所に留まらない短期タイプと、3か月ほど居座る長期タイプの二パターンがある。だがどちらもそのやり口は同じで、端からみても「これは催眠商法の店だな」というのが一目で分かる。

あらかじめ知識を持ち、強い意志があれば、最初に配ったり販売する安いものだけ手に入れてさっさと帰れるのだが、時間をもてあましている主婦や強く主張されると断りにくい高年齢層はついつい手を出してしまう。

最近では100円ショップの普及で、最初にお客を呼び込むための「エサ的商品」のメリットがあまりなくなってきたため、この商法を行う店も少なくなってきたが、それでも地方にいくとちらほらと空き事務所に突然このタイプの店が開店するのを見かけることができる。

当方(不破)も昔、ものは試しにと当時勤めていた会社のビルにオープンした催眠商法の店で買い物をしたが、それこそ学校の教室程度の広さの場所で100人ほどのお客が詰め込まれ、熱気むんむんな状態で30分ほど講釈を聞かされ、そのあとでようやくお目当ての「エサ」、もとい安いアイテムを買うことができた。催眠商法そのものの知識を持っていたから、買ったらさっさとその場を後にしたが、なるほどあれならだまされる人も出るだろうなと実感したものである。

なお催眠商法などのクーリングオフ期間は原則として契約日を含めて8日間。もしかして、と思ったらすぐに手続をするのが良いだろう。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ