成長代名詞のコンビニにかげり? 大手8社のうちの7社が前年割れ

2006年04月12日 12:15

株式イメージ【ブルームバーグ】がまとめたところによると、コンビニエンスストア大手8社の2006年3月売上高速報ベースで、業界最大手の【セブンイレブン・ジャパン(3382)】をのぞく7社の既存店売上高が前年同月の実績を下回ることが明らかになった。ブルームバーグでは飲料商品の売り上げ低迷が続き、客単価がマイナス基調となっているのが要因だと分析している。

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客単価は平均で2.2%の減少となっており、最大の要因とされる飲料商品の不調について、「2年前にヒットした【花王(4452)】のヘルシア以降、これといったヒット商品が出ていないのが理由」との見方が多い。また、【ローソン(2651)】【サークルKサンクス(3337)】などでは、高速道路券(ハイウェーカード)の販売を去年の9月に終了したのも痛手となっている。一方唯一プラスを確保した「セブンイレブン」では、キャラクターを採用した懸賞キャンペーンの実施など、企業体力に任せた大型キャンペーンが功を奏したとしている。

●コンビニの3月売上高(前年同月比%)
注)▲はマイナス:この数値は速報ベース

チェーン名 既存店売上高 既存店来客数 全店売上高
セブン-イレブン・ジャパン(3382)  0.1  0.8  4.0
ローソン(2651) ▲4.3 ▲2.0 ▲0.6
ファミリーマート(8028) ▲3.3 ▲1.1 2.6
サークルケイ・ジャパン(3337) ▲4.2 ▲1.4  ▲2.5
サンクスアンドアソシエイツ (3337) ▲5.0 ▲3.3   ▲5.1
ミニストップ(9946) ▲5.1 ▲2.7  0.7
スリーエフ(7544)          ▲5.3 ▲2.8   ▲2.2
ポプラ(7601) ▲7.6 ▲3.9   ▲3.3

(ブルームバーグ記事より抜粋)


記事では[ファミリーマート(8028)]が30億円の予算を計上して既存店活性化の助成を行うことを解説している。確かに、既存店の陳腐化と「新しい発見、驚き」がコンビニでは得られにくくなったことが、コンビニの魅力低減、そして売り上げ減のひとつの要因であることは間違いない。規模でトップの企業にかないそうもないのなら、知恵を働かせ、独自性を出さねばならないのは、特にコンビニ業界にかぎったことではないだろう。

ただコンビニ業界の場合、【九九プラス(3338)】【キャンドゥ(2698)】などのような、100円ショップの登場と躍進も、コンビニの売り上げの逓減(低減、ではなく)の大きな要素であるのも事実だろう。ましてや多数のアイテムを取り揃え、24時間営業タイプの100円ショップが増えてくれば、コンビニの優位性は失われてしまう。通販の商品受け取りと公共料金の支払いのみでは、コンビニの必然性はさほど大きくなくなってしまう。

コンビニがコンビニでありつつげるためにどのような工夫をするのか、それともコンビニから脱却して新たなスタイルを模索するのか。生存競争とあわせ、今後の各社の動向に注目したいところだ。

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