【更新】フクビ化学(7871)で大型架空取引発覚、昨年度だけで売上80億円・粗利益3億円

2006年04月16日 20:30

株式イメージ建築資材の製造・販売の【フクビ化学(7871)】は4月16日、同社及び連結子会社の【株式会社八木熊】において2003年度から今年の3月までに渡り架空取引が行われていたことを明らかにした([発表リリース、PDF])。架空取引額は2005年度においては売上高で80億円、粗利益で3億円程度と見られている。

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リリースによれば八木熊社の営業部門社員が架空仕入れと架空売上を計上しているとの報告を受けて調査を進めたところ、「実際に取引の対象となる商品の移動があるかのように偽装して、仕入先、八木熊社、販売先(フクビ化学を含む)の3者間で、取引を循環させていた」ことが判明。さらに書類偽造などの違法行為だけでなく、取引を通じた使途不明の資金流出も確認されたという。

八木熊社ではこの社員に対して刑事告発などを行う予定であると共に、フクビ化学でも正確な状況が確認出来次第開示情報の修正などを行う予定。八木熊社はフクビ化学の実質支配基準連結子会社※で、フクビ化学による出資比率はゼロである。

ちなみに現在開示されているフクビ化学の2005年3月期連結決算では、売上が579億8500万円、営業利益が15億8400万円。単純比較は出来ないが、(八木熊社との合算とはいえ)売上高で80億円、粗利益で3億円の架空取引が行われていたのは少なからぬ影響があると思われる。

なお今件を受けて大阪証券取引所と名古屋証券取引所は4月16日付けで同銘柄を監理ポストに割り当てた。


※実質支配基準:通常の連結子会社にあるような持株比率過半数超えによる支配ではなく、業務内容や取締役会の「支配」により、子会社かどうかを認定するもの。議決権実質行使比率で計算したり、ある程度の議決権を持ちなおかつ取締役会で構成員の過半数を維持している場合などがあるが、フクビ化学の場合持株比率はゼロなので、契約などで財務・営業方針決定を支配しているようだ。実際、フクビ化学の第二大株主は八木熊社であり、双方の役員名にも「八木」の苗字が付くものが多数見受けられる。

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