4割プラスから6割マイナスまで、アイドルファンドの「いろいろ」

2006年04月13日 19:30

青山愛子イメージ【ジェット証券】などは4月12日、売出し中のアイドルにファンドの形で出資金を集め、その資金でDVDや写真集などを制作し、売上を投資家に分配するというエンターテイメントファンドの一種「アイドルファンド」の運用成績を発表した(【発表リリース】)。第一号プロジェクト5人と第二号プロジェクト1人について決算を迎えた3月末に決算し、その集計が出たものによる。成績は最高運用成績がプラス42.3%、それに対してもっとも悪かったのはマイナス60.0%という結果だった。

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青山愛子イメージ今回のアイドルファンド「新人グラビア☆アイドルファンド」は第一号が2003年12月に募集開始、2004年2月から2006年3月末まで運用されたもの。それぞれファンドの形で500万円を集め、DVD・写真集を制作、売上をファンド投資者に分配する。通常のファンドと比べると規模は小さいがファンド購入者が対象アイドルを選択できることや、エンタメ系ファンドのさきがけとして注目を集めていた。

詳細な成績は各アイドル毎の成績発表を見てほしいが、もっとも運用成績のよかったのは青山愛子で42.3%(【発表リリース、PDF】)、次に第二号ファンドの花井美里で13.8%、島田早希の4.6%。もっとも成績が振るわなかったのはEIREIと神山玲奈で、それぞれマイナス60.0%(つまり投資金の4割しか戻ってこない)となった。さらに上位成績者のうち青山愛子と島田早希はまだ未集計・販売期日未達の売上が計算に入っておらず、成績が上積みされる可能性も高い。

『青山愛子』 +42.3%
『花井美里』 +13.8%
『島田早希』 +4.6%
『武市智子』 +-0%
『EIREI』   -60.0%
『神山玲奈』 -60.0%


業界関係者の話では「6人のうち収益が出たのが3人、元本割れは2人で済んだのは好成績」という反応が多い。確かにもっとも好成績を上げた対象者の場合、2年で4割強の利回りは非常に優秀だといえる。ファンド購入者の立場から考えてみても、「好きなアイドルをより間近な立場で応援でき、親近感を得られる。しかも利益を得ることもできる(可能性がある)」のだから、願ったりかなったりだろう。企業を応援する形で長期保有目的として株式を購入する株式投資家のスタイルに近いのかもしれない。

とはいえ、元本を大きく割り込んだ結果が出たものも出現してしまったり、武市智子の場合は事情説明もされない状況下で「本人の意向により」という説明だけでファンドの成績を大きく左右するDVDの製作・販売が断念されるなど、(このため売上は大きく落ち込むことになり、賠償金の形で事務所から差額が支払われ、ファンドの運用成績はプラスマイナスゼロとなった、【発表リリース、PDF】)問題点も多く露呈している。今後の課題となることだろう。

今回の運用成績結果は、今後のエンタメ系ファンドの展開に、色々な期待・希望と問題点を提示した、貴重な結果として注目すべき内容といえる。今経験を活かし、さらに魅力あるファンドが登場することを願わずにはいられない。


(最終更新:2013/09/18)

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