アメリカの民間企業による衛星ロケットが燃料もれで打ち上げ失敗

2006年03月27日 06:45

ファルコン1イメージ[このリンク先のページ(Cnn.co.jpなど)は掲載が終了しています]などが報じている通り、アメリカ・カリフォルニア州の民間企業【SPACE X(スペースX)】が開発を進めていた人工衛星を積んだロケット「ファルコン1」が初めて西太平洋のマーシャル諸島の環礁から3月24日打ち上げられたが失敗に終わった。公式サイトでは「正式な見解はアメリカ政府から発表される」と前置きした上で、速報の形で結果が報じられている(【速報ページ】)。

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ファルコン1イメージスペースX社では【Hot Wired Japanで紹介】されたように2005年1月にはロケットエンジン「マーリン」の試験稼動に成功。他の民間宇宙企業が軌道には乗らない弾道飛行を目指しているのに対し、地球を周回する周回軌道飛行にもっとも近いとされていた。

今ロケット「ファルコン1」もあわせスペースX社では低価格での衛星打ち上げの事業化を目指しているもので、今回のロケットではアメリカの空軍士官学校の宇宙プラズマ現象を調べる衛星を軌道に運ぶことを目指していた。全長は21メートルで、酸素と炭化水素を燃料とする2段式ロケット。

速報の形で出された発表リリースによれば、軌道制御やソフトウェア、機体構造そのものに問題はなかったものの、燃料の流出が発生、その燃料に引火してエンジン部分が火を噴いたことが失敗の直接の原因だとしている。スペースXでは残骸やデータを分析し、この燃料漏れの原因を探り、半年以内にプロジェクトを再開する予定であると発表した。

また今回の失敗は過去における国家レベルでの宇宙事業も数多くの失敗を礎にして成功を収めていることを例にあげ、今回の失敗でくじけることは無いと語っている。

欧米では裕福な資本家らによる多額の資金援助を元手に、数多くの民間企業が宇宙事業に携わり、今回のような「成功に向けた挑戦」が日夜続けられている。日本は宇宙・航空事業が太平洋戦争の敗戦で数十年留められていたこともあるだろうが、経済的に恵まれず、結果として欧米のような民間企業によるトライはほとんど見受けられない。

一部分野での金余りが口にされる中、短期的には資金回収は難しいだろうが、日本でもスペースX社のような宇宙事業の投資へも目を向けるべきではないだろうか。いくら資金を投入しても湯水のように使わないとこの事業の成功はおぼつかない(先にあるように国家レベルでも失敗を繰り返し、ようやく今のレベルまで達したのだから)。他が先行してどうしようも無くなってから、「遅い」と気が付き慌てても間に合わないのだ。そう、「百年の計」の言葉にもあるように……。

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