インターネットの本来あるべき姿へ、科学論文がネットで検索・閲覧可能に

2006年03月26日 12:30

インターネットイメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]によると、これまで大学や図書館など一部の環境でしか閲覧できなかった科学系の学術論文を、電子ファイル化してインターネット上で手軽に検索できるシステムが開発され、一般でも3月27日から専用サイト【Journal@rchive】で閲覧ができるようになるという(【発表リリース】)。

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これは【科学技術振興機構】が開発したもので、3月27日の段階では国内52の主要学会誌に掲載された3万本・10万ページ強の論文を電子ファイル化し、インターネット上に自由に閲覧ができるようになっている。2006年度末までには対応学術誌は74誌にまで増える予定。

掲載誌は多種多様でリリースによれば

1880年(明治13年)発行の東京化学会誌(日本化学会誌の前身誌)を最古に、明治期創刊の5誌など戦前からの13誌が今回初めて公開されます。また、湯川秀樹博士や朝永振一郎博士のノーベル賞受賞論文、日本で初めての女性理学博士である保井コノ博士の論文、博学で知られる南方熊楠の粘菌に関する論文などが世界中から閲覧できるようになります。

また、公開される雑誌には、理学系11誌、生物学系5誌、工学系11誌、農学系7誌、医学・薬学系15誌、人文科学系3誌が含まれ、科学技術に限らず幅広い分野がカバーされています。平成17年度に選定したものは、現在英文誌として発行されているものが中心ですが、その多くは今までに出版言語を変えてきており、日本語で読める論文も多く収録されています。また、それ以外にも、アインシュタインのもとで学んだ石原純による理論物理学に関するドイツ語論文(1915年)なども読むことができます。


とあり、日本国内だけでなく、海外からも注目を集めるものと思われる。

今回のデータベース作成には、1時間に1200ページほどのスピードで自動的にページをめくってスキャンするロボットが導入されていることでも注目されている。さらに2006年度以降も新たに雑誌を選定し、掲載対象を増やしていく予定だという。

掲載フォーマットや引用、著作権の問題、そして何よりもサーバの安定性に多少の不安があるが、それでも明日の正式オープンが待ち遠しいことに違いはない。そもそもインターネットが科学者間の論文の相互提供・参照を目的として構築されたのも一義的にあるところから、今回のプロジェクトはまったくもって理にかなっているといえるだろう。

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