イランが安保理協議に反発しホルムズ海峡封鎖を警告

2006年03月12日 09:10

ホルムズ海峡イメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によるとイランのプルモハンマディ内相は3月11日、国連安全保障理事会が核問題の本格協議入りに向けた動きを強めていることに対して「われわれは世界最大で最も敏感なエネルギー輸送の航路を抱えている」と述べ、中東地域の石油輸出の要所であるホルムズ海峡を封鎖して報復する可能性を警告した。

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ホルムズ海峡イメージホルムズ海峡とはペルシャ湾の出口にある、イランとオマーンやアラブ首長国連邦(UAE)に挟まれた比較的狭い海峡。この海域が「封鎖」されれば、イランはもちろんサウジアラビアやUAEなども石油を輸出できないことになり、世界経済に大きな影響を与える。今回の発言はイランのブラフ・外交手段の一つなのであろうが、アメリカやヨーロッパだけでなく「とばっちり」を食らうことになる湾岸諸国からの反発も予想される。

同内相は他にも「われわれは間違いなく石油を道具として使うだろう」とも語り、半ばなりふりかまわず主張するという、日本近辺にある諸国と同じような態度をとりつつある。

イランは過去に、1979年のイラン革命やその後のイラン・イラク戦争で、イラクの石油輸出を止めるためにホルムズ海峡に機雷を仕掛けて封鎖を行い、結果として原油価格が3倍にも跳ね上げた経歴がある。現在イランはペルシャ湾岸に地対艦ミサイルを配備しており、かつての機雷以上に有効な封鎖手段と能力を持つ。石油を運ぶタンカーは当然火気厳禁なので、ミサイルの一発でも着弾すれば、下手をすると大花火大会になることは必至。

もちろんイランが「実力行使」をするともなれば、国際社会による各種制裁の大義名分にもなりかねず、湾岸諸国の同意も得られることはないだろう。それでも今回の発言が出たのは、単なる意地なのか、ブラフなのか、それとも勝機の目算があるのだろうか。

原子力に対する魅力は分からないでもないが、それだけ強硬な態度を採ると、それこそ日本の隣国のように「平和利用とか言ってるが実のところ兵器利用以外の何物でもないではないか」と疑われても仕方ない(もっとも、それらの技術と材料を持っているだけで戦略兵器足りうるのも事実)。

あるいは危機感をあおり、原油価格をさらに上昇させることで周辺諸国に稼がせ、そのマージンを……というのは考えすぎかもしれないが(苦笑)。

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