日銀、量的緩和解除を決定

2006年03月09日 15:25

【NIKKEI NeT】などが報じたところによると、【日本銀行(日銀)】は3月9日の政策委員会・金融政策決定会合で、2001年3月に導入した量的金融緩和政策の解除を決定した(【発表リリース】)。消費者物価指数が安定的に前年比ゼロ%以上になるなどの解除条件が整ったと判断したからとのこと。いわば「お金をだぶつかせる」政策の終了により、日本の金融政策は正常化に向けた第一歩を踏み出すことになる。

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記事などで解説されている通り、今政策が解除されることにより、金融政策で動かす目標は金融機関の手元資金の「量」を示す日銀当座預金残高から、代表的な短期金利である無担保コール翌日物金利に戻すことになる。ただ、すぐに金融の引き締めに転じたわけではなく、実質的な金利ゼロ%政策は続けるとのこと。ただし市場では「金利が上がるのではないか」という思惑から、特に長期金利などが上昇する可能性がある。それに関連した形で、市場に影響を及ぼす可能性は否定できない。

簡単にまとめると「経済危機を回避するため、日銀が民間金融機関に貸し出す金利をゼロ金利にしただけではおっつかなくなったので、これまで日銀が銀行などから債券や手形を買って代金を支払い、民間にお金をだぶつかせていた政策が『量的緩和政策』。この支払い代金の量に目標を設定していたが、今回の解除でそれを止めて、金利のコントロールで金融政策を行うことになる」ということ。つまり、(しばらくはゼロ金利を続けるとしているが)ゼロ金利にするという歯止めがなくなるため、経済動向次第では日銀の貸し出し金利が上昇する可能性が出てきたということになる。日銀の金利が上がれば民間金融機関の金利も上がるため、各種貸し出し・借り入れ金利も上昇する。

先に2000年8月にゼロ金利解除を実施した際には、景気後退の引き金を引いた(金利が上がる→借り入れしにくくなる→資金の周りが悪くなる→消費が低迷する)として非難を浴びており、今回の政策解除には慎重さを要するとの意見もあった。この動きを市場関係者がどう受け取るかによって、明日以降の市場動向が大きく動くかもしれない。ただすでに市場はこの決定を織り込み済み、との節もある。

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