NTTデータ(9613)元社員、カード偽造で3000万円を引き出す

2006年03月29日 06:30

【Mainichi INTERACTIVE】などが報じたところによると、銀行のコンピュータシステム運用責任者の地位を悪用し、総額1400万円ほどを銀行の厳禁児童受払機から不正に引き出したとし、宮城県警捜査2課は3月28日、【NTTデータ(9613)】の田中守・元社員(54)を不正作出私電磁的記録供用と窃盗の疑いで全国に指名手配した。NTTデータも今件について【ローンカードの取引記録の不正取得について】のようにリリースを発表し、その過程などを明らかにしている。

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県警が指名手配した要件は2005年10月7日、仙台市青葉区にある都銀3行の支店ATMコーナーで、顧客9人分の偽造カードを使用。キャッシングを計20回行い、総額1400万円を不正取得したというもの。NTTデータは銀行のコンピュータシステムの管理を請け負っていたが、田中元社員は同社の協力会社から派遣されており、その運用責任者という立場を利用してカード情報を入手した形跡があるという。

このほかにもリリースにある通り、田中元社員が408名義分の取引記録を取得し、すでに偽造カードで17名・約3100万円が不正取得されたとのこと。なおこれらの損害については全額補償をすると共に、カードの切り替えを行っているという。

田中元社員は立場を利用し、プログラムを改造して暗証番号を含む取引記録を印刷、さらに指紋認証システムの履歴も変更していたという。NTTデータでは各種対策をしていたものの、田中元社員が一人で作業する機会もあり、今回の事件を防ぐことはできなかったとのこと。

県警発表で1400万円、NTTデータ発表で3100万円という金額で全国指名手配、メディアでも顔写真付でおおっぴらに報道されるあたり、「あまりにも大げさすぎやしないだろうか」という雰囲気もある。だが、あくまでもこれらの金額は「現在把握している」ものであり、今後額が増える可能性は十二分にあること、さらにコンピュータシステムに頼っている金融システムで経済が成り立っている現在において、そのシステムへの信頼性を根本からひっくり返されかねないような話(何しろシステム側が信用できなくなってしまうかもしれないのだから)である以上、NTTデータも警察側も本腰になるのは当然かもしれない。

あくまでも個人によるものなのか、それとも組織的なものなのかも気になるところだし、たとえ前者だとしてもデータなどが第三者に流出するなり他の「良くないことを考えるグループ」の手に渡る可能性を考えると、一刻も早い身柄の確保が求められるがため、全国指名手配というのもうなづける話だ。

とはいえ、50歳も過ぎてから何が悲しくてこのような行為に手を染めねばならなかったのだろうか。

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