mixiで新たなスパム勧誘手法「検索ワードスパム」、進行中

2006年03月16日 23:59

Mixiイメージ以前【SNSの仕組みを悪用した勧誘手法、進行中】で紹介した、足跡(簡易アクセスログ)と初心者を騙(かた)っての「マイミクシィ」を利用した勧誘手法の実情を報告したが、最近になって新たな勧誘の「魔の手」が【mixi】を侵食中であることが明らかになった。その名も「検索ワードスパム」と呼ばれるもの。

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mixiではユーザーが色々な趣味趣向を持つ他のユーザーや、複数の人から成る掲示板の集合体であるコミュニティを気軽に探せるようにと、検索サービスを用意している。探したい内容のキーワードを入力して検索を実行すると、捜索エリア(個人やコミュニティ)で記述されているプロフィール・コミュニティ紹介の文章をチェックし、該当するものの一覧を表示する。

例えば「株主優待」でコミュニティ検索をすると、コミュニティの紹介文章中に「株主優待」という語句が含まれているものの一覧が表示され、ユーザーはその中から必要なものを選択することができる。好きな芸能人の集まりを探したり、興味ある商品について語り合う場を探したりと、趣味や嗜好の仲間を求める傾向の強いSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)には欠かせない機能。要は一般の検索エンジンと同じで、検索対象がmixi内に限定されているというワケ。

「株主優待」で検索してみた様子
「株主優待」で検索してみた様子

ところがこのシステムを悪用する輩が現れた。

手法名「検索ワードスパム」である程度予想がついた人もいるだろうが、自分のプロフィールやコミュニティに誘導するため、紹介文の所に無意味な、それでいて「誘導する対象(要はカモ)が検索する際に使うであろうキーワード」を列挙し、検索されるようにする、システムを悪用するものが現れたのだ。もちろん自分のプロフィールやコミュニティに誘導した後は、先の「足跡法」と同じように、広告なり勧誘なりのページに誘導されてしまうわけだ。あるいは自分の商材なり(悪徳)ビジネスの勧誘を行うコミュニティへ誘われてしまう。単に自分のブログやサイトのアクセスアップに用いられる場合もある。

例えばゆりかもめ線の声優について色々語るコミュニティを探すために「ゆりかもめ」で検索して、次のような写真のキーワード羅列にひっかかり、いざ見てみたら全然関係ないものだったりすると、「なんでこんな莫迦なことするんだ」と怒りをあらわにすることだろう。

「検索ワードスパム」の一例
「検索ワードスパム」の一例(あくまでも「例」です)

この手法、もうお気づきの人もいるだろうが、かつて一般サイトと検索エンジン間の攻防戦でSEO(検索エンジンに対する最適化手法)の一つとして用いられたもの。昔よくサイトの下部に不自然な空白部分があり、カーソルを合わせてみると背景色と同色記述で隠された山ほどの「検索対象用キーワード」が表示されていたり、メタタグでコメント文などに鼻血が出るほどのコメントキーワードが記載されていたものが多く存在したが、それのmixi版といったところ。

ちなみにこの手法、少なくとも現在の一般サイトでは「精度を劣化させる悪しき手法」として各検索エンジンは見なしており、ロジックそのものでそういうサイトは優先順位を下げるよう工夫がされているし、インデックスから外される(検索エンジンから登録そのものを抹消される)こともある。

今回調べてみた限りでは確証は持てなかったが、どうやらこの「検索ワードスパム」の方法、一部ネットビジネス系の情報商材などでマニュアル化され、「こうするとmixiなどで顧客を誘導できる!?」といった形で紹介されているようだ。ほぼ同じパターンのキーワード羅列が複数か所で見受けられたことから、その可能性は高い(こういうものが広まると、たいていサンプルをそのままコピーして用いるモノグサな人が複数現れるので、マスターの存在が分かる)。

先の「足跡法」では仕掛け側が自動・手動にせよ能動的に働きかけたものだが、今回の「検索ワードスパム」は受動的であり、被害者がアクションを起こして初めて被害をこうむるだけに、先の「足跡法」よりさらにタチが悪い。一部では「実証実験中ですから」と大義名分をうたっているところもあるが、大抵においては堂々と「検索用」と表示し、キーワードの羅列が行われている。キーワードも似たりよったりで、一般サイトの検索キーワードで特に「カモになる可能性がある人が好みそうなもの」が多い。

「加害者」側が受動的であるだけに、今件については管理運営側も対処に苦慮しているようである。プログラム的に「検索ワードスパム」を全面禁止するのは不可能だし、手動で監視するのは手間が掛かりすぎる。それにスパムか否かのガイドラインの設定も難しいし、表現の自由に反する云々という反発もありうる。一般サイトと検索エンジンとのやりとりであったような、「(検索)機能劣化を意図的にもたらす悪質な行為」と断じて取り締まることは不可能ではないと思われるが、いきなり強攻策というわけにもいかないだろう。

解決策の模索には相当な時間や労力が必要だが、当局側には早急かつ根本的な解決を望みたいところだ。


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(最終更新:2013/08/28)

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