【更新】体内時計は朝がカナメ!? 理研チームが発表

2006年02月14日 12:25

時節イメージ[YOMIURI ONLINE]によると【理化学研究所】などの研究チームは2月12日付けの専門誌ネイチャー・ジェネティクスの電子版において、哺乳類の体内時計は主に「朝に働く遺伝子のオン・オフ(活性・停止)が正常に作動しないと、周期リズムが消滅してしまう」ことを発表した(【発表リリース】)。睡眠障害などの治療薬開発につながる成果とされている。

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記事によれば哺乳類内にある体内時計は16個の時計遺伝子によって制御され、ほぼ24時間周期のリズムを刻んでいる。だが、動物実験によって朝型の遺伝子を働かなくすると、昼・夜の時計遺伝子にも影響が及び、全体の周期リズムが消えてしまうとのこと。また逆に朝型の遺伝子を常に働いている状態にしても同様の結果が得られた。結論として「朝型の時計遺伝子の切り替えが、細胞の周期リズムを保つ上で非常に重要である」との結果が導き出されたという。

この研究成果が今後睡眠障害の診断や治療薬開発につながるのではないかと期待されているという。

つまり、実際に睡眠障害で苦しんでいる人の遺伝子を調べ、朝型体内時計遺伝子にトラブルが見つかれば、それを何らかの方策で正常に戻すことにより、睡眠障害が解決する可能性がある、ということになる。もしそのような方法が可能となれば、眠れなかったり睡眠リズムがバラバラな人に睡眠薬を飲ませて(遺伝子的に「身体が睡眠を欲している」という信号を発していないのに)無理やり眠らせるより、はるかに負担は軽いのだろう。

ただ、遺伝子レベルは未知なる領域が多いのも事実。睡眠障害を引き起こす可能性の一つとして「朝型の時計遺伝子の異常」が引き金になっているらしいということが分かっただけで、「ではなぜそれが起こったのか」を突き止めてからでないと、無理に元に戻すことで他の部分にとばっちりが出てくるかもしれない。慎重さが求められよう。

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