アイコラ撲滅だけでなく……インチキ画像発見用ソフトが注目を集める

2006年02月03日 08:55

インターネットイメージ【CNET Japan】によるとアメリカのダートマス大学のHany Farid教授によるデジタル写真の修正やごまかしを見破るソフトウェアが注目を集めているという。同教授が運営する【Image Science Group】が開発したソフトの一部は、FBIや各大手メディア企業ですでに使われているというのだ。

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デジタル写真の「インチキ加工」を見破る仕組みは、簡単にまとめると「写真上に存在することを人間の脳が無視したり、あるいは検知できない不自然な部分を探す」ことにあるという。例えば光の当たり具合が1枚の写真の中で違う場合、どの部分かが別の写真から切り抜かれて貼りあわされた可能性がある。だがこの不規則性は人間の脳は無視してしまうというのだ。

さらに具体的には、加工の際に行われるデジタル的補正を、同じようなアリゴリズムで探し「手を加えられた不自然な部分」を見つけ出すという。記事ではわれわれは、数学的・統計学的な検知から(画像の)操作の後を数量化できるかを問いかけている」「(操作された画像のなかには)自然には起こらない統計上の相関関係がある」と説明している。

記事ではこの「加工判定ソフト」はすでに専用ソフトが発表されているが、さらに近いうちにJava版も登場するという。Java版は既存のものよりはるかに使いやすいため、多くの企業がこれを導入するものと思われる。

最終的には人間の目と経験によって判断が行われるだろうが、権威と実績のあるソフトによって簡単により分け・判定ができることは、プロセスの簡易化で偽装工作への調査を容易にし、多くの不正を取り締まることが可能となる。最近の「耐震強度偽装問題」の話ではないが、工事現場で撮影される(デジカメが主流になりつつある)官公庁への報告用写真もかなりのものが捏造加工されているという話だ。チェックがおざなりになっているのは事実なのだが、今回取り上げたソフトがあれば、そのチェック体制も少しはまともなものになるだろう。

もっとも、その報で紹介された「捏造写真」を見る限り、少々の知識があれば専用ソフトを使わずとも一発で「加工している」というものが少なからずある(一枚の写真の中で影がまったく逆方向を向いていたり、切り貼りした後や背景色の違いが明らかに分かるようなもの)あたり、ソフトを導入したところでうまく活用できるのかどうか不安なところもあるのだが。

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